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高校の体育の授業で50m走を走ったのを最後に、もう10年以上まともに体を動かしていない——。そんな30代の方、実は珍しくありません。会社員として働いていると、体育の授業のように「強制的に体を動かす時間」は誰も用意してくれませんよね。気づけば階段より エスカレーター、駅までもタクシー、という生活を何年も続けていた、という人も多いはずです。
この記事は、そんな「筋トレどころか運動用語すらほとんど分からない」という方に向けて、本当にゼロから何を揃え、何をすればいいのかをまとめたものです。
何もしないまま放置すると、どうなるのか
体を動かさない生活を続けても、20代のうちは案外気づきません。ただ、30代に入ると「階段で息が上がる」「重い荷物を持つと腰に違和感がある」「猫背がひどくなった気がする」といった小さなサインが積み重なってきます。
これは筋肉量や体力が少しずつ落ちていくことによる、ごく自然な変化です。特別なことをしなければ、体力は年齢とともに緩やかに下がっていくものなので、放っておいて自然に戻ることはあまり期待できません。だからこそ、「何かを始めるなら早いほうがいい」というのは、決して煽り文句ではなく素直な事実だったりします。
とはいえ、いきなりジムに通う必要はありません。まずは自宅で、道具も知識も最小限からで大丈夫です。
そもそも「筋トレ」って何をすればいいの?
「筋トレ」と聞くと、ジムでバーベルを担いでいるような、ちょっと怖いイメージを持つ方もいるかもしれません。ですが、自宅で行う筋トレの基本は、実はとてもシンプルです。
- スクワット……椅子に座るような姿勢でお尻を後ろに引きながら、膝を曲げ伸ばしする動きです。太ももやお尻の筋肉を使います
- プランク……うつ伏せの状態から肘とつま先だけで体を支え、板(プランク)のようにまっすぐな姿勢をキープする動きです。お腹まわりの筋肉を使います
- 腕立て伏せ……手とつま先で体を支え、腕を曲げ伸ばしして体を上下させる動きです。胸や腕の筋肉を使います
これらは「自重トレーニング」と呼ばれる、器具を使わず自分の体重だけを負荷にするトレーニングです。まずはこの3つの動きだけでも十分にスタートラインに立てます。
いきなり全部を完璧にこなす必要はありません。最初は「腕立て伏せが1回もできない」という状態からで問題なく、そこから少しずつ回数や姿勢を整えていく、という進め方が現実的です。
詳しくはこちらの記事も参考にしてください:筋トレ前の準備運動って何をすればいいの?器具なしのウォームアップ入門
器具を買う前に知っておきたい「今更聞けない」疑問
道具なしでもトレーニングはできますが、床に直接寝転がったり膝をついたりするのは、フローリングだとかなり痛いものです。そこで最初に検討したいのが、以下の3つの道具です。
ヨガマットとトレーニングマットって、何が違うの?
これ、意外と混同されがちなポイントです。
- ヨガマット:厚みが3〜6mm程度と薄めで、ポーズを取ったときに滑りにくいことを重視した作りになっています
- トレーニングマット(筋トレ用マット):厚みが1cm〜2cm程度あり、膝や背中をつく動きの衝撃を吸収しやすいのが特徴です
つまり「ヨガをするならヨガマット」「筋トレで膝や背中をつく動きが多いならトレーニング用の厚手マット」という違いです。この記事のように腕立て伏せやプランクを中心にするなら、多少厚みのあるタイプを選んでおくと安心感があります。マンションやアパートでの床音対策そのものについては、あわせて読みたい:賃貸マンションで筋トレしても大丈夫?防音対策完全ガイドで詳しく扱っているので、気になる方はそちらもあわせて確認してみてください。
商品ページを見るときは、「厚み」の欄と「素材」の欄(NBRやTPEといった表記があります)をチェックしておくと、届いてから「薄すぎた」「硬すぎた」という失敗を避けやすくなります。
器具1:軽量ダンベルは「軽すぎるくらい」から
ダンベルというと、ジムにあるような重そうな鉄の塊をイメージするかもしれませんが、初心者向けには1kg〜3kg程度の軽量タイプで十分です。
商品ページを見るときのチェックポイントは以下の通りです。
- 重量表記……「1kg×2個セット」のように、1個あたりの重さと個数が明記されているか確認します
- 素材……ラバー(ゴム)コーティングされたものは、床に置いたときの音や傷がつきにくい傾向があります
- 持ち手の形状……握る部分(グリップ)が滑りにくい素材かどうかも、写真や説明文でチェックしておきましょう
「重い方が効きそう」と思って最初から重量のあるものを選ぶのは避けたほうが無難です。フォーム(体の動かし方の姿勢)が身についていない段階で重いダンベルを使うと、腕や肩を痛める原因になりやすいためです。まずは軽いものから、正しい動きを覚えることを優先しましょう。
器具2:レジスタンスバンドという選択肢
「レジスタンスバンド」とは、ゴム製の伸縮する帯やチューブ状の道具で、引っ張ったり伸ばしたりすることで筋肉に負荷をかける、いわば「持ち運べるゴムの抵抗運動器具」です。輪っかになったタイプや、両端に持ち手がついたチューブタイプなど、いくつか種類があります。
ダンベルとの大きな違いは、重さではなく「伸ばす強さ」で負荷が決まるという点です。商品ページでは「強度:ライト/ミディアム/ヘビー」といった表記や、バンドの色で強さが分けられていることが多いので、そこを確認しましょう。初めての場合は、一番軽い強度のものから試すのがおすすめです。
レジスタンスバンドでのトレーニングは、ダンベルなど従来の器具と比べても同程度の筋力向上効果が得られる可能性があるとする研究報告もあり、「ゴムだから効果が弱い」というわけではないようです。ただし、これはあくまで一般的な研究結果の傾向であり、誰にでも同じように当てはまるとは限りません。
「続けられるか不安」な人が知っておきたいこと
ここまで器具の話をしてきましたが、正直に言うと、多くの人がつまずくのは「道具選び」より「続けること」のほうです。ある研究では、新しい習慣を毎日続けた場合、それが「意識しなくてもできる」状態になるまでの期間は、中央値で66日ほどかかったと報告されています。逆に言えば、1〜2週間で効果や変化を感じられなくても、それは自然なことだということです。
筆者自身、自宅トレーニングを始めた当初は「あれもこれも必要かも」とつい色々買い込んでしまい、結局ほとんど使わないまま部屋の隅に放置していた器具がありました。今振り返ると、最初は本当にヨガマット・軽量ダンベル・レジスタンスバンドの3つだけで十分だったと感じています。
この点については別記事でも詳しく解説しています:自重だけで十分?器具が欲しくなるタイミングの見極め方
続けるコツとしては、以下のようなことを意識してみてください。
- 「毎日30分」ではなく「週2〜3回、10分だけ」から始める
- カレンダーやスマホのメモに、やった日だけ印をつける
- 筋肉痛が来なくても「効いていない」とは限らないので、焦らない
まとめ
体育の授業以来ずっと運動をしていなかったとしても、今日から始めるのに遅すぎるということはありません。まずは以下の3点だけ揃えれば、十分にスタートを切れます。
- 厚み1cm前後のトレーニングマット
- 1kg〜3kg程度の軽量ダンベル
- 一番軽い強度のレジスタンスバンド
いきなり完璧を目指す必要はなく、「週に数回、10分だけ体を動かす」ことから始めれば十分です。個人差があるので、自分に合ったペースを見つけながら、無理のない範囲で続けていくのがいちばんの近道だと思います。
より詳しい内容はこちらへ:筋トレの後は何をすればいいの?クールダウンの意味が分からない人へ
よくある質問
Q. 運動音痴で体育の成績もずっと悪かったのですが、それでも大丈夫でしょうか?
A. 大丈夫です。自宅トレーニングは誰かと競争するものではなく、自分のペースで動きを覚えていくものなので、運動神経の良し悪しはほとんど関係ありません。
Q. ジャージやスポーツウェアを持っていないのですが、普段着でもいいですか?
A. 動きやすく、伸縮性のある服装であれば普段着でも問題ありません。ただし、締め付けが強いジーンズなどは動きを妨げるので避けたほうが無難です。
Q. 筋肉痛が全然来ないのですが、効果が出ていないということでしょうか?
A. 筋肉痛の有無だけで効果を判断することはできません。特に運動をしていなかった期間が長い人ほど、最初は筋肉痛が来にくいこともあるとされています。焦らず継続することを優先してみてください。
Q. 毎日トレーニングしないと意味がないのでしょうか?
A. 毎日行う必要はありません。むしろ運動経験がない状態からいきなり毎日始めると、体への負担や継続の負担が大きくなりがちです。週2〜3回程度から様子を見るのがおすすめです。
Q. ダンベルとレジスタンスバンド、どちらか一方だけでもいいですか?
A. どちらか一方だけでも始められます。ダンベルは重さの感覚をつかみやすく、レジスタンスバンドは持ち運びやすく音も出にくいという特徴があるので、生活スタイルに合わせて選んで問題ありません。
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