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11月も後半に差し掛かると、ワンルームの真ん中にこたつを出す人は多いのではないでしょうか。一度天板を出してしまうと、そこから春先までほぼ動かさない。むしろこたつを中心に生活の動線ができあがって、テレビも座椅子もスマホの充電器も、全部こたつの周りに集約されていく。冬のワンルームあるあるだと思います。
問題は、この状態で「よし、筋トレしよう」と思ったときです。部屋の中央にこたつという固定家具が居座っているせいで、運動できるスペースがコの字型、あるいはL字型の細長い隙間しか残っていない。しかも布団やコード、座布団が散らばっていて、いつものトレーニングメニューがそのままでは通用しない。この記事では、そんな「こたつ中心の部屋」というかなり具体的なシチュエーションに絞って、器具選びと配置の考え方を整理していきます。
こたつを避けようとするから続かない
まず正直に言うと、こたつのある部屋で「こたつを一時的にどかして運動スペースを作る」のは、多くの人にとって現実的ではありません。こたつ布団を畳んで天板を持ち上げて…という手間が発生した時点で、運動へのハードルは一気に上がります。実際、面倒な準備工程が1つ増えるだけで習慣化の成功率が下がることは、行動科学の分野でもよく言われる話です。
さらに、こたつ布団を踏んで滑って転びそうになったり、天板の角に足の小指をぶつけたり、床に伸びたヒーターのコードに気づかず引っかけそうになったりと、地味なヒヤリハットも起きやすい環境です。無理に動くタイプの運動(ジャンプ系や大きく手足を振り回す種目)は、この部屋には正直あまり向いていません。
だとすれば発想を変えて、「こたつを避ける」のではなく「こたつを中心に組み立てる」方向で器具とメニューを選んだほうが、結果的に続けやすくなります。
こたつの脚と布団を、むしろ活用する
ここが今回いちばんお伝えしたいポイントです。こたつというのは、ただの邪魔な家具ではなく、実はトレーニング用のアンカー(支点)として使える構造物でもあります。
- こたつの脚にレジスタンスバンドを引っ掛けて、座った姿勢のまま脚を伸ばすトレーニングをする
- こたつ布団を膝や足首の上に乗せて、布団の重みをうっすらとした負荷代わりに使いながら脚上げ系の種目をする
- 天板の下の空間を、座ったままの上半身トレーニングの「作業スペース」として使う
特に2つ目のこたつ布団を負荷にする発想は、意外と見落とされがちです。もちろん市販のウェイトのような正確な負荷にはなりませんし、効果を保証するものでもありませんが、「こたつから出たくない、でも少しは体を動かしたい」という冬特有の心理状態にはちょうどいい落とし所だったりします。
レジスタンスバンドについては、ダンベルやマシンと比べても遜色ない筋力向上効果が得られたとする2019年のメタ分析や、体脂肪や筋力への効果がダンベル等と同程度だったとする2022年のレビューもあり、「こたつ周りの狭いスペースだからバンドで妥協する」というより、「こたつ周りだからこそバンドが合理的」と捉えるほうが近いかもしれません。
詳しくはこちらの記事も参考にしてください:底冷えする木造アパート一階、冬のフローリングトレ器具選び
こたつの周りで完結する器具の選び方
こたつ中心の部屋で器具を選ぶときの基準は、シンプルに「こたつ布団の下、座布団の隙間、天板の脇にしまえるかどうか」に尽きます。ここでは3つのカテゴリに絞って考え方を紹介します。
折り畳みダンベル
こたつのある部屋にダンベルを置くなら、使わないときに厚みが数cmまで畳めるタイプが向いています。目安として、片手2.5kg〜10kg程度まで調整できる可変式で、収納時の厚みが5〜7cm前後に抑えられているものであれば、こたつの脇や座布団の下にすっと差し込めます。
筆者は自宅の器具の中でダンベルとベンチが一番買ってよかったと感じているのですが、こたつのある部屋のように大型のベンチを置けない環境では、ダンベル単体でも上半身の種目はかなりカバーできます。反対に、ベンチプレス用のバーベルとプレートのような重量上げ特化の器具は、賃貸のワンルームでは正直実用性が低く、こたつ中心の部屋にはまず合わないと思います。器具を選ぶときは、収納性以上に「その部屋の風景になじむかどうか」を密かに基準にしているのですが、こたつの木目に対して黒いラバー製のダンベルは意外と浮かずに馴染む、というのも小さな発見でした。
レジスタンスバンド
先述の通り、こたつの脚に引っ掛けて使えるのが最大の利点です。強度別に色分けされた5段階セットなどを選んでおくと、脚だけでなく腕や体幹の種目にも使い回せます。長さは1.2m前後のループタイプだと、こたつの脚周りでも取り回しがしやすいサイズです。
薄型ヨガマット
こたつ周りの床に敷きっぱなしにするのは現実的ではないので、使うときだけサッと広げて、終わったらこたつ布団の下や座布団の隙間に丸めて収納できる薄さが重要です。厚みは3〜6mm程度で、くるくる巻いたときの直径が10cm前後に収まるものだと、デッドスペースへの収まりが良くなります。
こたつのある部屋では、器具そのもののスペックよりも「使わないときにどこへ消えるか」を先に決めてから買うことをおすすめします。収納先が決まっていない器具は、結局こたつの隅に置きっぱなしになり、来客のたびに慌てて隠す羽目になりがちです。
ベンチは本当に必要か、こたつがソファ代わりの部屋の場合
こたつのある部屋は、こたつ自体がソファやリビングテーブルの役割を兼ねていることが多く、そこにさらにトレーニングベンチを置くスペースを確保するのは正直かなり厳しいです。ベンチを置くかどうか迷っている場合は、まずダンベルとバンドだけでどこまでできるかを試してから検討しても遅くありません。
あわせて読みたい:家具を増やせない1DK、トレーニングベンチをソファ代わりにする選び方
まとめ
こたつのある部屋の筋トレ器具選びは、「こたつを避ける」より「こたつを使い倒す」発想に切り替えたほうがうまくいきます。こたつの脚をバンドのアンカーにする、布団の重みをうっすらとした負荷にする、器具はこたつ布団の下や座布団の隙間に収まる薄さ・厚みで選ぶ。この3つを意識するだけで、部屋を模様替えせずに冬の運動不足はかなり和らげられるはずです。もちろん個人差はあるので、自分の部屋のこたつのサイズや座り方に合わせて微調整してみてください。
よくある質問
Q. こたつ布団を負荷代わりにするのは効果があるんですか?
A. 明確な効果を保証するものではありません。あくまで市販のウェイトの代わりに何かしらの重みを足したいときの、手軽な工夫の一つとして捉えてもらうのが良いと思います。しっかり負荷を管理したい場合は、折り畳みダンベルやレジスタンスバンドのように強度が明確な器具を使うほうが確実です。
Q. こたつの脚にバンドを引っ掛けても大丈夫ですか?
A. こたつの脚は本来トレーニング器具として設計されたものではないため、強く引っ張りすぎると天板ごと傾いたり滑ったりする可能性があります。軽い強度のバンドから試し、天板がぐらつかないか確認しながら使うことをおすすめします。
Q. こたつの近くで運動して、暖房効率が悪くなったりしませんか?
A. こたつ布団をめくったまま長時間放置すると、こたつ内の暖気が逃げやすくなります。運動する種目によっては布団を完全にめくらず、天板の脇のわずかなスペースだけで完結させる工夫をすると、暖房効率への影響も抑えられます。
Q. 家族と一緒にこたつを使っている場合、器具の置き場所はどうすればいいですか?
A. 個人用の座布団の下や、自分の定位置の脇に折りたたんだ状態で置いておくのが現実的です。家族と共有スペースなので、使わないときは目立たない場所にしまう前提で、薄型・軽量な器具を選ぶとトラブルになりにくいと思います。
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