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先日、駅の階段を小走りで上っただけで、思いのほか息が切れた——という経験、心当たりはないでしょうか。20代の頃なら何でもなかったはずの動作で、妙に汗をかいたり、膝や腰に違和感を覚えたり。40代後半を過ぎると、こうした「あれ、前と違うな」という感覚が積み重なっていく人が増えてきます。
いわゆる男性更年期と呼ばれる時期には、体力の低下だけでなく、なんとなく気分が沈みがちになったり、やる気が出にくくなったりすることも一般的に指摘されています。ただ、これは誰にでも同じように現れるわけではなく、個人差が大きいテーマでもあります。「疲れやすい=更年期」と決めつけず、気になる症状が続く場合は医療機関に相談するのが前提として、まずは運動でできることから見直してみるのも一つの手です。
ジムじゃなくて自宅、でいい理由
「体力が落ちてきたなら、ジムに通うべきなのでは」と思う方もいるかもしれません。ですが、この世代・このライフスタイルには、自宅トレという選択肢が意外と合っていることが多いんですよね。
- 仕事終わりにジムに行く気力そのものが湧きにくい
- 見知らぬ人と同じ空間で運動することに抵抗がある
- 更衣室やシャワーの手間まで含めると、続ける前提のハードルが高い
実際、運動を続けやすい環境には個人の性格傾向も関係すると言われていて、他者と一緒に運動することが向いている人もいれば、自宅で一人黙々と行う方が続けやすい人もいる、という指摘があります。どちらが優れているという話ではなく、自分にとって「続けられる環境」を選ぶことが何より大事、というのが実態に近いところです。
一方で、一人暮らしゆえの落とし穴もあります。誰にも見られていないからこそ、サボっても誰にも気づかれない。筆者自身、自宅トレを続ける中で、ジムのように周りに人がいる環境がないぶん、モチベーションを保ち続けることの難しさを実感した経験があります。この「一人トレの孤独」との付き合い方については、詳しくはこちらの記事も参考にしてください:40代から体力低下を感じ始めた人のための無理のない自宅トレ入門でも触れているので、あわせて参考にしてみてください。
放置するとどうなるか
「まあ、そのうち体力は戻るだろう」と先延ばしにしてしまいがちですが、筋力の低下は静かに進行するタイプの変化です。目に見えて分かりやすい体重の増減と違って、握力や下半身の筋力といった「地味な指標」は、意識しないと衰えに気づきにくいんですよね。
実際、大規模な国際追跡調査では、握力が5kg低下するごとに全死亡リスクが16%上昇したという報告もあります。もちろんこれは握力そのものが直接の原因というより、全身の筋力・活動量を映す一つの指標として捉えられているものですが、「たかが握力」と侮れない話ではあります。何もしないまま数年放置するより、今できる範囲で体を動かし始める方が、後々の選択肢は広がりやすいはずです。
器具選びの基本方針:「軽く・静かに・続けられる」
この世代の自宅トレで意識したいのは、いきなり高強度を目指さないことです。関節や腰への負担も考えると、まずは軽めの負荷から始めて、体の反応を見ながら少しずつ調整していくのが無理のない進め方になります。
軽量ダンベル
- 目安として2kg〜10kg程度の可変式、または複数本セットを選ぶと、体力の変化に合わせて負荷を調整しやすい
- 手のひらが痛くなりにくいラバーコーティング仕様は、フローリングに置く際の音対策にもなる
- 握りやすいグリップ径(だいたい3cm前後)のものを選ぶと、握力が落ち気味の時期でも扱いやすい
レジスタンスバンド
関節への負担が気になる人にとって、レジスタンスバンドは選択肢に入れやすい器具です。ゴムの張力を使うため衝撃が少なく、床への振動もほぼ気になりません。実は、レジスタンスバンドでのトレーニングは、ダンベルなど従来の器具と比べても遜色ない筋力向上効果が得られるとする研究報告もあり、「軽い負荷=効果が薄い」というイメージとは少し違う実態があります。
- 強度は色分けされていることが多く、初めては中間の強度から試して様子を見るのがおすすめ
- ドアに引っかけて使うタイプは、賃貸だと壁や柱を傷つけない設置場所を事前に確認しておくこと
プロテイン
一人暮らしだと自炊の頻度が下がり、タンパク質摂取量が意外と不足しがちです。運動と並行して食事の見直しを考える人は多いですが、毎食しっかり肉や魚を用意するのが難しい日もありますよね。そういった日の補助として、プロテインを取り入れる人も増えています。
- 「痩せる」「疲労が取れる」といった断定的な謳い文句ではなく、成分表示やタンパク質含有量を基準に選ぶのが基本
- 溶けやすさや後味の好みも、続けやすさに直結するポイント
摂取量やタイミングの詳しい目安については、あわせて読みたい:更年期世代の一人暮らし女性が選ぶプロテインと運動量の目安でも整理しているので、性別を問わず参考になる部分があるはずです。
頻度と続け方:完璧を目指さない
週に何回、何セットやるべきか、という細かい設計に頭を悩ませすぎる必要はありません。むしろこの世代で大事なのは、「やらない日があっても、翌日また再開できるかどうか」という継続の柔軟さです。
新しい習慣が体に馴染むまでには数週間から数ヶ月かかると言われていて、ある研究では新しい行動が自動的にできるようになるまで中央値で66日ほどかかったという報告もあります。3日坊主で終わったとしても、それは失敗ではなく「まだ途中」なだけ、と捉えておくくらいがちょうどいいのかもしれません。
- 最初の2週間は「毎日やる」より「決まった曜日にやる」方が挫折しにくい
- 疲労感が強い日は、負荷を下げてでも体を動かす習慣自体を切らさない
- 記録をつけると、体力の変化に気づきやすくなる
まとめ
体力の低下や気分の落ち込みを感じ始めたとき、いきなりジムに通う必要はありません。軽量ダンベルやレジスタンスバンドといった、静かで場所を取らない器具から始めて、無理のない頻度で体を動かす習慣を作っていくのが現実的な一歩です。プロテインなどの食事補助も、断定的な効果を期待するのではなく、あくまで生活の中の一つの選択肢として取り入れてみてください。個人差が大きい話でもあるので、体調に不安がある場合は無理をせず、専門家に相談しながら進めていくのが安心です。
よくある質問
Q. 更年期世代でも筋トレを新しく始めて大丈夫ですか?
A. 一般的には問題ないとされていますが、持病がある方や体調に不安がある方は、始める前に医師に相談しておくと安心です。急に高強度な運動を始めるのではなく、軽い負荷から様子を見ながら進めるのが無理のない方法です。
Q. ダンベルとレジスタンスバンド、どちらから揃えるべきですか?
A. どちらか一方に絞る必要はありません。関節への負担が気になる方はレジスタンスバンドから、筋力の変化を数値で追いたい方はダンベルから始めるなど、自分の体の状態に合わせて選ぶと良いでしょう。
Q. プロテインを飲めば体力低下は改善しますか?
A. プロテインはあくまでタンパク質摂取を補う食品であり、特定の効果を保証するものではありません。運動習慣と合わせて、食生活全体を見直す一環として取り入れるのが現実的な考え方です。
Q. 一人でトレーニングを続けるモチベーションが保てません
A. これは一人暮らしの自宅トレでよくある悩みです。記録をつけて変化を見える化する、決まった曜日に固定するなど、仕組みで続けやすくする工夫が有効とされています。人と一緒に運動する方が続けやすいタイプの方は、オンラインのグループプログラムなどを検討するのも一つの方法です。
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