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先日、非常持ち出し袋を久しぶりに引っ張り出そうとしたら、その上に折りたたみベンチを立てかけていたせいで、袋の紐が引っかかって全然出てこない……という経験をしたことはないでしょうか。
賃貸の一人暮らしだと、収納できるスペースはクローゼット一つ、押入れ一つが精一杯というケースが多いです。そこに「飲料水2Lケース」「非常食」「非常持ち出し袋」という防災備蓄と、「筋トレ器具」という新しい荷物を同時に押し込もうとすると、どちらも中途半端に取り出しにくい状態になってしまいます。この記事では、防災備蓄と筋トレ器具をどう共存させるかという、意外と誰も書いていないテーマに絞って考えていきます。
防災備蓄と筋トレ器具は、実は同じ「一等地」を取り合っている
防災の基本として、非常持ち出し袋や備蓄品は「玄関や寝室の近くなど、取り出しやすい場所に置く」ことが推奨されています。一方で、筋トレを続けたい人が器具を選ぶときも、結局重視するのは「取り出しやすさ」なんですよね。押入れの奥に仕舞い込んだ器具は、二度と使わなくなる、というのはこのサイトでも何度か触れてきた通りです。
つまり、防災備蓄も筋トレ器具も、部屋の中の「一等地」を欲しがっているという点で構造的にぶつかりやすいんです。これは他の収納テーマの記事ではあまり語られない、備蓄との同居ならではの悩みだと思います。
そして厄介なのは、この2つの「取り出しやすさ」の意味が少し違うという点です。備蓄は「めったに使わないが、いざという時に一瞬で出せること」が最優先。筋トレ器具は「毎日使うから、しまう・出すの手間が最小限であること」が最優先。優先順位の種類が違うものを同じスペースに詰め込もうとすると、どちらかが必ず犠牲になります。
備蓄の上に器具を置き続けるとどうなるか
「とりあえずクローゼットの下段、備蓄の手前に置いておこう」というのは、よくある最初の一歩です。ただ、これを続けていると次のようなことが起きがちです。
- 器具を出し入れするたびに備蓄品を一度動かす必要があり、次第に器具を出すのが億劫になって使わなくなる
- 備蓄の賞味期限・使用期限のチェックを後回しにしてしまい、気づいたら期限切れになっている
- 災害時、実際に非常持ち出し袋を取り出そうとしたときに、器具が引っかかって思うように動かせない
特に3つ目は、普段は気づきにくいリスクです。防災備蓄は「使わない前提」で収納されているぶん、動線が塞がれていることに本人も気づきにくいんですよね。日常的に使う筋トレ器具の存在感が、いつの間にか備蓄の避難経路を塞いでしまう、という構図です。
解決策1:床面を空けて「壁」に収納する
備蓄と器具の取り合いを避ける一番シンプルな方法は、収納の高さを変えることです。備蓄品は床置き・下段にまとめ、筋トレ器具は壁面に上げてしまう。これで動線が完全に分離できます。
具体的には、耐荷重15〜20kg程度、フック数5〜6個の壁掛け収納ラックを使い、レジスタンスバンドやプッシュアップバー、軽めのダンベルを吊るしておく方法です。石膏ボードの壁に直接ネジ止めするタイプもありますが、賃貸で原状回復を考えるなら、突っ張り式や粘着フックタイプで耐荷重を確認したものを選ぶと安心です。
床面が完全に空くことで、備蓄水のケースや非常食の箱を並べても、扉を開けてすぐ全体を見渡せる状態が保てます。
解決策2:器具そのものを「薄く」してしまう
壁掛けにできない重量級の器具については、そもそも収納時の厚みを小さくできる製品を選ぶのが有効です。特にダンベルは、固定式のものだと1セットでもかなりの床面積を取ってしまいます。
プレートの厚みが1枚あたり2cm前後に抑えられた折りたたみダンベルや、ハンドル部分が折り重なって収納時の高さが半分になるタイプなら、備蓄ボックスの隙間や、クローゼットの縦の空きスペースに立てて収めることができます。
筆者自身、自宅トレを始めた当初は色々な器具を買い込んでしまい、結局使わないものを処分してスペースを作った経験があります。備蓄と共存させるスペースはただでさえ限られているので、最初から「本当に使うものだけ、かつ収納時に薄くなるもの」を基準に選ぶほうが、後で処分に悩む手間が減ります。
解決策3:備蓄と器具の「境界線」をボックスで作る
同じクローゼット内に両方を置くにしても、それぞれを別のコンパクト収納ボックスに分けてしまうだけで、取り出しやすさは大きく変わります。
- 備蓄専用ボックス:フタ付き、透明または半透明で中身が見えるもの。奥行き40cm前後で、非常食・水・簡易トイレなどをまとめて1つに
- 器具専用ボックス:レジスタンスバンドやグローブなど小物をまとめる浅型のもの。取っ手付きだと、使うたびにボックスごと引き出せる
境界線がないまま「なんとなく同じ棚」に置いてしまうのが、一番混ざりやすく取り出しにくくなる原因なので、この境界線だけは意識しておきたいポイントです。
詳しくはこちらの記事も参考にしてください:押入れ・和室がある昭和築賃貸で完結するトレ器具収納術
意外と見落とされがちな注意点:備蓄水を「重り」に転用しない
省スペース目的で、備蓄している2Lペットボトルの水をダンベル代わりに使えないか、と考える人が時々いますが、これはあまりおすすめできません。ペットボトルは長時間の使用を想定した設計ではなく、繰り返し握る・振るといった動作で劣化や水漏れが起きやすいです。備蓄水はあくまで備蓄用として温存し、重り目的の器具は別に用意するほうが、備蓄自体の品質を保つ意味でも安全だと思います。
なお、季節ごとに衣替えで収納配分が変わる時期は、備蓄と器具のバランスも一緒に見直すタイミングとして良い機会です。
あわせて読みたい:衣替えでクローゼットが圧迫される時期の筋トレ器具収納見直し
まとめ
防災備蓄と筋トレ器具は、どちらも「取り出しやすい場所」を求めるという点で、狭い賃貸の収納の中では競合しがちな存在です。壁面を使って床を空ける、器具そのものを薄く選ぶ、備蓄と器具をボックスで分けて境界線を作る、といった工夫を組み合わせることで、両方を無理なく共存させることができます。備蓄は「いざという時に迷わず取り出せること」が本来の目的なので、器具選びの段階からその動線を邪魔しないことを意識してみてください。
よくある質問
Q. 非常持ち出し袋と筋トレ器具、どちらを取り出しやすい位置に置くべきですか?
A. 優先すべきは非常持ち出し袋です。筋トレ器具は多少手間がかかっても習慣化されれば使い続けられますが、備蓄は「いざという時にすぐ出せること」が本来の目的なので、玄関や寝室の近くなど動線が良い場所は備蓄側に譲るのが基本です。
Q. 備蓄水のケースをダンベル代わりに使うのはアリですか?
A. あまりおすすめしません。ペットボトルは繰り返しの負荷を想定した設計ではなく、劣化や水漏れのリスクがあります。備蓄水は備蓄として温存し、重りは別の器具で用意する方が安心です。
Q. クローゼットの中で備蓄と器具を同じ段に置いても大丈夫ですか?
A. 置くこと自体は問題ありませんが、境界がないと混ざって取り出しにくくなりやすいです。それぞれ別のボックスに分けておくだけでも、動線がかなり整理されます。
Q. 壁掛け収納ラックは賃貸でも使えますか?
A. 石膏ボード用の粘着フックや突っ張り式など、原状回復しやすいタイプであれば使いやすいです。ただし耐荷重は製品ごとに差があるので、載せたい器具の重さを事前に確認しておくことをおすすめします。
Q. 備蓄の見直しと器具の見直しは同じタイミングで行うべきですか?
A. 必須ではありませんが、備蓄品には使用期限があるため、定期的な点検のタイミングで器具の収納状況も一緒に見直すと、収納スペースの無駄が溜まりにくくなります。
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