アイソメトリック・アイソトニックって何?音を出さない筋トレ用語入門

アイソメトリック・アイソトニックって何?音を出さない筋トレ用語入門|用語集のイメージ画像 用語集

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夜勤明けでベッドに入る前、少しだけ身体を動かしておきたい。でもリビングの真下には別の部屋があって、日中とはいえ物音を立てるのは気が引ける——。そんな状態で筋トレのやり方を調べていると、「アイソメトリック」「アイソトニック」という聞き慣れない単語にぶつかった方も多いのではないでしょうか。

実はこの2つの言葉、音を立てずに運動したい人にとって「知っているだけで種目選びがぐっと楽になる」ボキャブラリーなんですよね。今回はこの2つの違いを、専門知識ゼロの状態からでも理解できるように整理していきます。

そもそも「筋トレの音」の正体は動きにある

筋トレで下の階に響く音の多くは、実は「筋肉に力を入れる音」ではなく「身体が着地する音・移動する音」です。ジャンプの着地、スクワット(椅子に座るように腰を落とし、また立ち上がる動き)でのかかとの上下、ダンベルを床に置く音などがこれにあたります。

つまり、音を減らしたいなら「動きの大きさ・速さ」をコントロールするのが近道なんです。ここで役立つのが、これから説明する「アイソメトリック」という考え方です。

深夜早朝の生活音マナーそのものについては、詳しくは詳しくはこちらの記事も参考にしてください:夜勤明けの昼トレは危険?シフト勤務者の防音マナーで扱っているので、ここでは用語の中身に絞ってお話しします。

アイソメトリック(等尺性収縮)って何?

「アイソメトリック」とは、関節を動かさずに筋肉に力を入れ続けるトレーニングのことです。「アイソ」は「同じ」、「メトリック」は「長さ」という意味で、筋肉の長さが変わらないまま力を発揮する、というのが名前の由来です。

具体的なイメージが湧きにくいと思うので、種目例を挙げます。

  • プランク……うつ伏せの姿勢から、肘とつま先だけで体を持ち上げ、板のように一直線をキープする種目です。
  • ウォールシット……壁に背中をつけて、椅子に座っているような姿勢のまま静止し続ける種目です。
  • 壁プッシュ……壁に両手をつき、押し続けるだけの種目です。動いているように見えますが、実際には身体は一切動きません。

これらに共通しているのは、「じっと同じ姿勢を保つだけ」で、ジャンプも上下運動もないということ。だから床への着地音も、器具を置く音も発生しにくいわけです。

アイソトニック(等張性収縮)って何?

一方の「アイソトニック」は、筋肉が伸び縮みしながら力を発揮するトレーニングのことです。「トニック」は「張力」という意味で、関節を曲げ伸ばしする、私たちがイメージする一般的な筋トレのほとんどがこちらに分類されます。

  • ダンベルカール……ダンベルを持ち、肘を曲げ伸ばしする種目です。
  • スクワット……先ほど紹介した通り、しゃがんで立つを繰り返す種目です。

アイソトニックが悪いわけでは決してありませんが、関節が動く分だけ体重移動や着地が発生しやすく、時間帯や環境によっては音・振動への配慮がより必要になる、という違いがあります。

なぜアイソメトリックが音を出さないトレに向いているのか

理屈はシンプルで、「動かないから、床に伝わる衝撃そのものが発生しない」からです。音や振動は基本的に「物が動いて、何かにぶつかる」ことで生まれます。アイソメトリックは関節の動きがほぼゼロなので、この「ぶつかる瞬間」自体が存在しにくいんですよね。

レジスタンスバンド(伸び縮みするゴム製のベルトのような道具です)を使ったトレーニングも、ダンベルやマシンと比べて同程度の筋力向上効果が得られると報告するメタ分析があります。器具そのものが軽く、床に叩きつける必要もないため、アイソメトリック的な静かな種目との相性がとても良い道具だと言えます。

今日からできる、音を立てないアイソメトリック種目チェック

初めて試す方向けに、簡単な確認ポイントをまとめておきます。

  • 姿勢を保持している間、呼吸を止めていないか(息を止めると血圧が上がりやすいと言われているため、自然な呼吸を意識する)
  • 静止時間は最初から長く設定しすぎず、20〜30秒程度から様子を見る
  • 床や壁に体重を預ける動作でも、下ろす瞬間はゆっくり行う

ここで意外と見落とされがちなのが、「アイソメトリックは動かないから楽で安全」という思い込みです。実際には、同じ姿勢を保ち続けること自体が想像以上にきつく、力みで呼吸が止まりがちになる種目でもあります。音を立てないことと、身体への負担が軽いことはイコールではない、という点は覚えておくとよいでしょう。

あわせて読みたい:静音トレーニング器具の選び方

器具を使うともっと静かに、もっと効かせられる

アイソメトリック系のトレーニングは、いくつかの道具と組み合わせることで、より快適に行えるようになります。

レジスタンスバンド

伸び縮みするゴム製のベルト状の道具で、引っ張ることで筋肉に負荷をかけます。初めて購入する際は、パッケージや商品ページに書かれている「強度」の欄(色分けやポンド数・kg表記)を確認しましょう。強すぎるバンドを選ぶと、無理な力みで結局ぶつかる音を立ててしまうこともあるため、最初は軽めの強度から試すのがおすすめです。

ヨガマット

床に敷いて使うクッション性のあるマットです。「トレーニングマット」との違いが気になる方もいると思いますが、簡単に言うとヨガマットは薄め・軽量で持ち運びしやすく、トレーニングマットは厚手で衝撃吸収を重視したものが多い、という傾向があります(詳細な違いは別記事に譲ります)。購入時は商品ページの「厚さ(mm)」の項目を確認し、肘や膝を床につける種目が多いなら6mm以上を目安にすると痛みが出にくくなります。

フォームローラー

円柱状のクッションで、身体を乗せて転がしながら筋肉や筋膜のコリをほぐすために使う道具です。トレーニング前後のケアに使われることが多く、静かに使える点でも夜間・早朝に嬉しい道具です。

なお筆者は過去に、深夜にデッドリフト(バーベルを床から持ち上げる種目)をしていて階下から苦情を受けた経験があります。その後は防振マットを導入し、以来同様の苦情はなくなったのですが、この経験を通して痛感したのは「そもそも動きの大きい種目を選ばない」という発想の方が、対策として根本的だということでした。アイソメトリックはまさにその発想に合った選択肢だと感じています。

まとめ

アイソメトリックとアイソトニック、言葉だけ聞くと難しそうですが、要は「関節を動かさない静止系」か「関節を動かす動的系」かの違いです。夜勤明けで音を気にしたいシーンでは、プランクやウォールシットのようなアイソメトリック種目を軸に組み立てると、着地音や振動の心配をぐっと減らせます。ただし、静止しているからといって身体への負担がゼロというわけではないので、無理のない秒数から始めてみてください。

この点については別記事でも詳しく解説しています:仕事椅子の横がトレ場所、フルリモート勤務者の切り替え術

よくある質問

Q. アイソメトリックだけで筋肉はつきますか?

A. アイソメトリックのみでも一定の筋力維持・向上効果は期待できるとされていますが、関節を動かすアイソトニックな動きと組み合わせた方がバランスよく鍛えられる、という考え方が一般的です。目的に応じて両方を取り入れるのがおすすめです。

Q. プランクは何秒くらいから始めればいいですか?

A. 個人差が大きいので断定はできませんが、初めての方はまず20〜30秒キープを目安にし、呼吸が苦しくなる前に一度姿勢を崩して休むという方法で様子を見るとよいでしょう。

Q. アイソメトリックなら本当に隣室や下階に音は響かないのでしょうか?

A. 動きが少ない分、着地音や振動は発生しにくいと考えられますが、体重をかける瞬間や、姿勢を崩して床に手をつく瞬間など、完全にゼロにはならない場面もあります。過信せず、床材や時間帯への配慮は引き続き必要です。

Q. アイソメトリックのやりすぎで血圧が心配です。どうすればいいですか?

A. 静止中に息を止めてしまうと血圧が上がりやすいと言われているため、自然な呼吸を保つことを意識してみてください。持病がある方や不安がある方は、始める前に医師に相談することをおすすめします。

Q. レジスタンスバンドはアイソメトリックとアイソトニック、どちらの種目に向いていますか?

A. どちらにも使える道具です。バンドを引いた状態で静止すればアイソメトリックに、伸ばしたり戻したりを繰り返せばアイソトニックになります。1本で両方の練習ができる点も、初めて器具を買う人には扱いやすいポイントだと言えます。

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