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先週から自宅で腕立て伏せとスクワット(膝を曲げて腰を落とし、また立ち上がる動きを繰り返す種目です)を始めた、という人からよく聞く話があります。「形だけでも整えようと思って、ドラッグストアのプロテイン売り場に行ってみたら、種類が多すぎて何も買わずに帰ってきた」というものです。
棚には「ホエイ」「ソイ」「WPC」「WPI」といったアルファベットが並び、値段も味も容量もバラバラ。筋トレを始めて数日の人にとって、これはかなり高いハードルだと思います。
この記事では、そもそもプロテインとは何なのか、飲まないとどうなるのか、そして「今の自分は買うべきなのか」を判断するための材料を、専門用語を極力かみ砕きながらまとめていきます。
そもそも「プロテイン」って何なのか
プロテインという言葉は、本来は「たんぱく質」そのものを指す英語です。ただ日本では、牛乳や大豆から作られた「たんぱく質を粉末状にした食品」のことを指して使われることがほとんどです。
体は、筋肉を作ったり修復したりするためにたんぱく質を材料として使います。肉・魚・卵・大豆製品・牛乳といった普段の食事からも摂れるのですが、筋トレを始めると、体が欲しがるたんぱく質の量が増えるため、食事だけでは不足しがちになる、というのがプロテインが登場する理由です。
つまりプロテインは薬でも魔法の粉でもなく、「食事で足りない分を、手軽に補うための食品」という位置づけです。ここを最初に押さえておくと、この先の判断がだいぶ楽になります。
飲まなかったら何が起きるのか
結論から言うと、「プロテインを飲まないと筋トレの効果がゼロになる」ということはありません。ただ、いくつか起こりうることはあります。
- 食事だけでたんぱく質の必要量をまかなうのが難しく、体づくりの効率が下がる可能性がある
- 一人暮らしで自炊の頻度が低い場合、肉・魚・卵を毎食用意するのが面倒になり、結果的にたんぱく質不足が続く
- 「なんとなく筋トレ後に何か摂った方がいい気がする」という漠然とした不安だけが残り、続ける意欲が下がる
実際、プロテイン摂取のタイミング自体が筋力や体組成にどれほど影響するかについては、研究の間でも意見が分かれています。運動後にたんぱく質を摂ることが有効とされる報告がある一方で、タイミングそのものの効果は明確でなかったとするメタ分析もあります。つまり「いつ飲むか」より、そもそも1日のたんぱく質摂取量が足りているかどうかの方が優先度が高い、と考えておくのが無難です。
詳しくはこちらの記事も参考にしてください:筋トレ前の準備運動って何をすればいいの?器具なしのウォームアップ入門
結論:プロテインは「必須」ではない
先に結論を言ってしまうと、筋トレを始めたばかりの段階では、プロテインは絶対に必要な道具ではありません。腕立て伏せやスクワットを週に数回やる程度であれば、卵・豆腐・納豆・牛乳・サラダチキンなどを普段の食事に足すだけでも、たんぱく質量はかなり補えます。
プロテインが検討に値してくるのは、以下のようなケースです。
- 自炊がほぼできず、コンビニ食や外食が中心で、意識してもたんぱく質が不足しがちな人
- 筋トレの頻度が週3回以上になり、体づくりへの本気度が上がってきた人
- 食事だけで必要量を摂ろうとすると、脂質やカロリーが過剰になりすぎる人
逆に言えば、「みんな飲んでいるから」「筋トレを始めたから形として」という理由だけで買う必要はない、ということです。
買うと決めたら:ホエイとソイ、何が違うのか
もし「自分は当てはまるかも」と感じたら、次に出てくる疑問が「ホエイとソイ、どっちを選べばいいの?」というものです。
- ホエイプロテイン:牛乳から作られるたんぱく質です。比較的水に溶けやすく、癖の少ない味が多いのが特徴です。牛乳を原料にしているため、乳製品でお腹がゆるくなりやすい人は量を調整した方が良い場合があります。
- ソイプロテイン:大豆から作られるたんぱく質です。植物性なので、乳製品が苦手な人やヴィーガン志向の人に選ばれやすい傾向があります。ホエイに比べて溶けにくく感じることもあります。
どちらが「優れている」というものではなく、体質や食事のスタイルに合わせて選ぶ、というのが基本的な考え方です。
種類ごとの違いをもう少し比較検討したい場合は、あわせて読みたい:自宅用トレーニングベンチの選び方、折りたたみと耐荷重の比較で詳しく取り上げているので、そちらもあわせてどうぞ。
パッケージのどこを見ればいいのか、見落とされがちな1点
ここが今回、一番伝えたかったポイントです。プロテインのパッケージや商品ページを見るとき、多くの人が「たんぱく質量○g」という表示だけを見て「量が多い方がお得」と判断してしまいます。
ですが、この「○g」が1食分(1スクープあたり)を指しているのか、100gあたりを指しているのかは商品によってバラバラです。パッケージの成分表示欄には、たいてい「栄養成分表示(1食分あたり)」あるいは「100gあたり」という但し書きが小さく添えられています。ここを見比べずに数字だけで比較すると、実際に摂れるたんぱく質量を大きく見誤ることがあります。
購入前に確認しておきたいポイントを整理すると、次のとおりです。
- たんぱく質量の表示が「1食(スクープ)あたり」か「100gあたり」かを確認する
- 1食分の重量(g)が何gに設定されているかを確認する(同じ「1食」でも20gと30gでは中身が違います)
- 原材料欄に自分の苦手な成分(乳成分・大豆・人工甘味料など)が含まれていないか確認する
パッケージ表示の見方は地味ですが、ここを押さえておくだけで無駄な買い物をかなり減らせます。
シェイカーは本当に必要なのか
プロテインを粉のまま水や牛乳に混ぜようとすると、たいていダマになります。これを防ぐために使うのが、ボール状の網や振り玉が入った専用の容器、いわゆるシェイカーです。
コップとスプーンで代用しようとして苦戦する人は多く、最初からシェイカーを1つ用意しておいた方が結果的にストレスが少ないというのが正直なところです。容量は300〜500ml程度のものが扱いやすく、パッキン付きでフタがしっかり閉まるタイプを選んでおくと、バッグに入れても漏れにくくて安心です。
まとめ
プロテインは、筋トレを始めたからといって「とりあえず買うべきもの」ではありません。まずは普段の食事でたんぱく質をどれくらい摂れているかを振り返り、それでも足りなさそうなら選択肢として検討する、という順番がおすすめです。買うと決めたら、ホエイかソイかを体質に合わせて選び、パッケージの「1食あたり」表示を必ず確認すること。ここだけ押さえておけば、大きな失敗は避けられるはずです。
よくある質問
Q. プロテインを飲まないと筋肉がつかないんでしょうか?
A. そんなことはありません。食事から必要なたんぱく質を摂れていれば、プロテインなしでも体づくりは可能とされています。プロテインはあくまで食事の補助という位置づけです。
Q. 筋トレをしていない日にもプロテインを飲んでいいですか?
A. 問題ないとされています。体はトレーニングした日以外にも筋肉の修復・維持のためにたんぱく質を使っているためです。ただし摂りすぎが気になる場合は、製品表示の目安量を参考にしてください。
Q. ホエイとソイ、両方買うのは無駄でしょうか?
A. 無駄というわけではありません。乳製品でお腹の調子が気になる日はソイ、そうでない日はホエイ、といった使い分けをしている人もいます。ただ初心者のうちは、まずどちらか1種類から試してみて、自分の体質や味の好みに合うかを確認するので十分だと思います。
Q. コンビニのサラダチキンやプロテインバーだけでも代わりになりますか?
A. なり得ます。たんぱく質を補うという目的においては、粉末のプロテインである必要はありません。持ち運びやすさや続けやすさで選んで問題ないでしょう。
Q. 安いプロテインと高いプロテインの違いは何ですか?
A. 主にたんぱく質の含有量・精製方法(WPC・WPIなどの表記)・味の種類・添加物の有無によって価格が変わってくる傾向があります。不安がある場合や持病がある場合は、製品表示をよく確認し、必要であれば医師や薬剤師にも相談してみてください。
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