『スロートレーニング』って何?器具なしでゆっくり効かせる方法

『スロートレーニング』って何?器具なしでゆっくり効かせる方法|用語集のイメージ画像 用語集

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YouTubeでスクワットのやり方動画を見て、そのとおりにやってみたのに、次の日ぜんぜん筋肉痛にならなかった――。そんな経験はないでしょうか。

実はそれ、動きの速さが原因かもしれません。筋トレ系のSNSや動画でよく見かける「スロートレーニング」という言葉、これがまさにその「速さ」に関係する用語なんです。この記事では、器具の名前もまだよく分からないという方に向けて、スロートレーニングの意味と、家にあるものだけで今日から試せるやり方を紹介します。

そもそも「スロートレーニング」って何のこと?

スロートレーニングとは、簡単に言うと「筋トレの動きを、いつもよりゆっくり行う方法」のことです。

例えば「スクワット」という、椅子に座るように腰を落としてまた立ち上がる、という動きをする種目があります。これを普通のペースでやると、しゃがんで立つまで1〜2秒くらいで終わってしまう人が多いです。

スロートレーニングでは、これをあえて3〜4秒かけてしゃがみ、3〜4秒かけて立ち上がるようにします。つまり種目そのものは変えずに、スピードだけを落とすトレーニング方法ということです。

なぜゆっくり動かすと効くと言われているのか

ゆっくり動くと何が変わるのか。ポイントは、筋肉に負荷がかかっている「時間」です。

専門的には「Time Under Tension(筋肉が緊張している時間)」と呼ばれたりしますが、要するに筋肉を張った状態でキープする時間が長くなるほど、少ない回数・軽い負荷でも「効いた感」を得やすいと言われています。

普通のペースで20回やっと疲れる動きが、ゆっくりやると8回くらいでもうキツい、ということが起こりやすいんですね。器具がない自宅トレーニングでは、重いダンベルのような負荷を足すのが難しいので、この「時間で負荷を稼ぐ」という発想がかなり相性がいいんです。

ただし、これで筋肉が早くつく・確実に効果が出るといった断定はできません。あくまで「負荷のかけ方のひとつ」として、一般的にそう説明されている、という程度に捉えておくのがよいでしょう。

器具なしでできる、スロートレーニングの基本種目

まずは体一つで試せる種目から始めてみましょう。

ゆっくりスクワット

足を肩幅くらいに開き、椅子に腰かけるイメージで4秒かけてしゃがみ、太ももが床と平行になる少し手前で止めます。そこから4秒かけて、膝を伸ばしきらないところまでゆっくり立ち上がります。膝が完全に伸びきる直前で止めるのがコツで、こうすると膝への負担が抜けきらず、常に筋肉に力がかかった状態をキープできます。

ゆっくり腕立て伏せ(プッシュアップ)

床に手とつま先をついて体を一直線に保ち、腕を曲げ伸ばしする、という腕立て伏せという種目も、下ろすのに4秒、上げるのに4秒かけてみましょう。きつい場合は膝を床につけたまま行っても構いません。

  • しゃがむ・下ろす動作をゆっくりにする
  • 一番きついポジションで完全に止まりきらない(力を抜かない)
  • 呼吸を止めない

この3つを意識するだけで、普段の自重トレーニングがぐっと変わります。自重トレーニングそのものの仕組みについては、「自重トレーニング」って何?器具なしでも鍛えられる仕組みでも詳しく説明しています。

見落としがちな注意点:ゆっくり動くほど、息を止めやすい

ここで一つ、あまり言われていないけれど気をつけたいポイントがあります。

スロートレーニングは、動きがゆっくりな分、無意識のうちに息を止めてしまう時間が長くなりがちなんです。特に、しゃがんだ姿勢や腕を曲げた姿勢で何秒もキープしていると、力むと同時に呼吸を止めてしまう人が多いんですよね。

呼吸を止めた状態で力むと、血圧が急に上がりやすいと言われています。「きつい姿勢のときこそ、意識して息を吐き続ける」という点だけは、スロートレーニングを始める前にぜひ覚えておいてください。数を数える代わりに「ふー」と声に出しながら動くと、自然に呼吸が止まりにくくなります。

「今更聞けない」スロートレの疑問

普通の筋トレより効果が高いの?

「ゆっくりやれば効きやすい」とは言われますが、「普通の筋トレより優れている」というほど単純な話ではありません。むしろ、扱う重さを増やしていく通常のやり方(漸進性過負荷という考え方です)と組み合わせて使う人も多いです。ダンベルが1つしかない場合の負荷の増やし方については、「漸進性過負荷」って何?ダンベル1組しかない人の対処法で解説しています。

マットは必要?

床に膝や手をつく種目が多いので、マットがあると膝や手首の痛みを軽減しやすくなります。特別なものである必要はなく、厚み8〜10mm程度の家庭用トレーニングマットがあれば十分です。

一歩進みたくなったら:レジスタンスバンドという選択肢

自重だけでは物足りなくなってきたら、「レジスタンスバンド」という道具も検討してみましょう。これは輪ゴムを大きくしたような、伸縮性のあるゴム製のバンドで、伸ばすほど負荷が強くなる仕組みの道具です。ダンベルのような金属の重りと違い、軽くて音も出ないので、賃貸の部屋でも扱いやすいのが特徴です。

初めて買うときは、パッケージや商品ページの「強度」「負荷レベル」の欄を確認しましょう。多くの製品は色によって強さが分かれていて、「ライト」「ミディアム」「ヘビー」のように表記されています。完全初心者であれば、まずは一番弱い強度、または初心者向けとされているセット品から試すのがおすすめです。

レジスタンスバンドを使ったトレーニングについては、ダンベルやマシンといった従来の器具と比べても同程度の筋力向上効果が得られるとするメタ分析も報告されています。体脂肪や筋力の変化についても、ダンベル等と大きな差がなかったとするレビューもあり、「軽そうに見えるけれど侮れない道具」だと言えそうです。

筆者自身も、深夜にダンベルを使った種目をしていて階下から苦情を受けた経験があり、その後は防振マットを導入してから苦情がなくなりました。スロートレーニングやバンドを使った運動は、そもそもジャンプや着地の衝撃がほぼないため、そうした床への配慮という意味でも比較的取り入れやすい方法だと感じています。

スロートレーニングが向いている人・向いていない人

  • 器具を持っていない、または増やしたくない人
  • 大きな音や振動を立てたくない人
  • 回数を数えるのが苦手で、時間で区切りたい人

一方で、次のような場合はあまり無理をしないほうがよいでしょう。

  • 膝や腰に痛みがあるとき(ゆっくりキープする分、負担がかかる時間も長くなります)
  • 血圧に不安がある場合(前述の呼吸を止めやすい点に特に注意してください)

不安がある場合は、無理に続けず医師に相談するようにしてください。

まとめ

スロートレーニングは、特別な器具がなくても、動きの速さを変えるだけで始められるトレーニング方法です。しゃがむ・伸ばすといった動作を3〜4秒かけてゆっくり行うことで、筋肉に負荷がかかる時間を長くする、という考え方が背景にあります。

ただし、ゆっくり動く分だけ呼吸を止めやすくなる、という見落としがちな注意点もあるので、慣れないうちは呼吸を意識しながら試してみてください。まずはマット1枚から、慣れてきたらレジスタンスバンドも視野に入れて、自分のペースで続けられる方法を見つけていきましょう。

よくある質問

Q. スロートレーニングは毎日やっても大丈夫ですか?

A. 種目や強度にもよりますが、同じ部位を毎日追い込むと回復が追いつかないこともあると言われています。まずは週に2〜3回程度から様子を見て、筋肉痛が強い日は休むようにするとよいでしょう。

Q. 何秒かけるのが正解ですか?

A. 「3秒下ろして3秒上げる」あたりが目安として紹介されることが多いですが、厳密な正解があるわけではありません。フォームが崩れない範囲で、自分がきついと感じる速さを探ってみてください。

Q. スロートレーニングだけで有酸素運動の代わりになりますか?

A. きつく感じて心拍数が上がることはありますが、ウォーキングやジョギングのような有酸素運動とは負荷のかかり方が異なります。目的に応じて使い分けるのがよいでしょう。

Q. 筋肉痛が来ないのですが、効いていないということですか?

A. 筋肉痛の有無だけで効果を判断するのは難しいと言われています。フォームが正しくできていれば、痛みがなくても問題ないケースは多いです。

Q. スロートレーニングにはレジスタンスバンドとチューブ、どちらが向いていますか?

A. どちらも伸縮素材を使った器具で似ている部分が多いですが、細かな違いもあります。詳しい比較は「レジスタンスバンドとチューブ、何が違う?初めて買う人の整理」のような記事も参考にしてみてください。

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