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通販サイトで折りたたみ式のトレーニングベンチを探していて、商品ページの説明欄でふと手が止まった、という経験はないでしょうか。「インクライン角度調整可能」「デクライン対応」といった文字が並んでいて、正直「それって何のこと?」と検索窓に打ち込んだ人も多いはずです。
筋トレの経験がまったくない状態でベンチを選ぼうとすると、実はこの「角度」の話が最初の大きな壁になります。ダンベルなら重さという分かりやすい基準がありますが、ベンチは「角度」という、日常生活ではあまり意識しない指標で選ばなければいけないからです。この記事では、そもそも角度を変えると何が変わるのか、初めての1台としてどこまでのスペックが必要なのかを、専門用語を一つずつ噛み砕きながら整理していきます。
そもそも「トレーニングベンチ」って何のための道具?
まず前提の確認からです。トレーニングベンチとは、ダンベルを持ちながら仰向けや座った姿勢で筋トレをするための、細長い台のような道具のことです。ソファやベッドと違ってクッションは薄く、体がぐらつかないよう固定して使うことを目的に作られています。
一人暮らしの部屋で使う場合、ほとんどの人はこのベンチの上に寝転んだり座ったりしながら、両手にダンベルを持って腕や胸を動かす種目(体の一部を上下に持ち上げる運動)を行うことになります。逆に言えば、ベンチだけ買ってもダンベルがなければあまり使い道がない、という点は覚えておいてください。
詳しくはこちらの記事も参考にしてください:『可変式』『固定式』ダンベルって何が違うの?初めて買う人へ
商品ページに出てくる「フラット」「インクライン」「デクライン」の意味
ここからが本題です。ベンチの背もたれ部分は、多くのモデルで角度を変えられるようになっています。その角度によって呼び方が変わるだけで、実は難しい話ではありません。
フラットベンチ=角度ゼロの基本形
「フラット」とは、背もたれが完全に水平(地面と平行)になっている状態のことです。一番シンプルな寝転んだ姿勢で、初心者が最初にイメージするベンチの形はこれに当たります。
インクラインは「上向きに傾斜」させる機能
「インクライン(incline)」は英語で「傾斜・上り坂」を意味する言葉です。ベンチに当てはめると、背もたれの上側を持ち上げて、斜めに起き上がった姿勢を作る機能のことを指します。イメージとしては、リクライニングチェアを少し起こした状態に近いです。
デクラインは「下向きに傾斜」させる機能
一方「デクライン(decline)」は「下り坂」という意味です。ベンチで言うと、頭側が足側より低くなるように傾ける機能のことで、体が斜め下向きになった姿勢を作ります。この機能を持つ折りたたみベンチは、価格帯が上のモデルに多い傾向があります。
なぜ角度を変える必要があるの?
「同じ寝転んだ姿勢なのに、なぜわざわざ角度を変えるの?」と疑問に思うのは自然なことです。
理由はシンプルで、体の角度が変わると、同じ腕の動きでも負荷がかかる場所が微妙に変わるからです。フラットな状態で胸の前でダンベルを押し上げる動きをすると胸全体に負荷がかかりやすく、インクライン(起き上がった状態)で同じ動きをすると胸の上のほう、鎖骨に近い部分に負荷が寄りやすくなる、といった具合です。これはベンチに限らず、体の傾きを変えるだけで刺激される部位のバランスが変わる、という筋トレ全般に共通する考え方の一例です。
とはいえ、これはあくまで一般的に言われている傾向であり、フォームや個人の体格によっても感じ方は変わってきます。「絶対にこの角度でないとダメ」というものではない、という前提は持っておいてよいでしょう。
初めての1台は角度調整付きを選ぶべき?
ここが一番悩ましいポイントだと思います。結論から言うと、完全初心者の最初の1台としては、無理にデクライン対応の高機能モデルを狙う必要はありません。理由は2つあります。
- インクライン・デクラインの違いを体感するには、そもそも複数のダンベル種目の経験が必要で、始めたばかりだと違いを感じ取りにくい
- 角度調整機構が増えるほど部品点数が増え、折りたたみ時のサイズや重量、価格も上がりやすい
まずはフラットとインクラインの2段階程度が調整できるモデルを選び、体が慣れてきたタイミングでデクライン機能の必要性を見直す、という順番で十分だと考えられます。実際、筆者自身も自宅の器具の中でダンベルとベンチの組み合わせが一番買ってよかったと感じていますが、当初から高機能なデクライン対応モデルが必要だったわけではなく、フラットとインクラインが使えれば上半身のトレーニングの幅は十分に広がりました。
商品ページでチェックすべき具体的な数値
角度の意味が分かったところで、実際に商品ページのどこを見ればよいかを整理しておきます。
- 角度調整の段階数:「3段階(0°・30°・45°)」のように、具体的な数字が書かれているかを確認しましょう。「調整可能」とだけ書かれていて数字がない場合は、レビュー欄で実際の角度を確認する人もいます
- 耐荷重表示:ベンチ本体の重さに加え、使用者の体重とダンベルの重さの合計を支えられるかどうかの目安になります。この欄の見方については、自宅用トレーニングベンチの選び方、折りたたみと耐荷重の比較で詳しく解説しているので合わせて確認してみてください
- 折りたたみ厚み:クローゼットや家具の隙間に収まるかどうかに直結します。奥行きだけでなく、折りたたんだ状態の「厚み」の数値もチェック対象です
まとめ
「インクライン」「デクライン」は、それぞれ「上向きの傾斜」「下向きの傾斜」を意味する、ベンチの角度を表す言葉でした。角度が変わると体に対するダンベルの負荷のかかり方が変わる、というのが基本の仕組みです。
完全初心者の最初の1台としては、フラットとインクラインが使える程度のシンプルなモデルから始めて、慣れてきたら機能を見直す、という進め方が無理のない選び方だと考えられます。焦って高機能なモデルを買う必要はなく、まずは体を動かすこと自体に慣れることを優先してみてください。
よくある質問
Q. インクラインとデクライン、両方使えるベンチじゃないとダメですか?
A. 必ずしもそうではありません。最初はフラットとインクラインの調整ができれば、多くの基本的な種目に対応できると考えられます。デクライン機能は後から必要性を感じたタイミングで買い替えを検討しても遅くはありません。
Q. 角度は何度に合わせればいいか分かりません。
A. 商品によって設定できる角度の刻みが違うため一概には言えませんが、初心者のうちは真ん中あたりの角度から試して、体の感覚に慣れてから微調整していく人が多いようです。決まった正解があるわけではないので、無理のない姿勢を優先してください。
Q. ベンチとソファを兼用することはできますか?
A. 構造上、座面や背もたれのクッションが薄く硬めに作られていることが多いため、長時間くつろぐ用途にはあまり向いていません。あくまでトレーニング中の姿勢を安定させるための道具として考えるのがよいでしょう。
Q. 折りたたみ式ベンチは組み立てが必要ですか?
A. モデルによって異なります。工具が必要な組み立て式のものもあれば、脚を開くだけで使えるものもあるため、商品ページの「組み立て」に関する記載を事前に確認しておくと安心です。
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