出社が増えた人が通勤分の運動量を自宅で確保する工夫

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在宅勤務が中心だった頃、意識的に散歩をしたり、昼休みにストレッチをしたりしていた人は多いと思います。ところが週2〜3日の出社が復活した途端、「もう外で歩いてるし、わざわざ運動しなくていいか」と思ってしまう。これ、実はかなり多くの人が陥っている錯覚なんですよね。

試しに、出社日の移動を分解してみてください。駅までの徒歩、改札からホームまでの階段、会社の最寄り駅からオフィスまでの徒歩、オフィス内の移動——合計してもせいぜい30〜40分程度の低強度の歩行であることがほとんどです。しかも満員電車で立っているだけの時間は「移動」であって「運動」ではありません。それなのに、帰宅後は「今日はよく歩いたから」とソファに直行してしまう。結果として、在宅勤務時代より実は運動量が減っているというケースが少なくないんです。

「歩いているから大丈夫」という思い込みが一番の落とし穴

この記事でお伝えしたいことの核心はここです。通勤による徒歩は、有酸素運動としては軽度なものにとどまり、筋力を維持・向上させる刺激にはほとんどなりません。歩くこと自体は悪くないのですが、下半身の筋肉に負荷をかけたり、上半身を動かしたりする要素がほぼゼロなんですよね。

さらに厄介なのが、出社日は在宅勤務日よりも精神的な疲労が大きいという点です。人と話す、身だしなみを整える、満員電車に乗る——これらは在宅勤務にはなかった負荷であり、帰宅後の「もう一頑張り」する気力を確実に削っていきます。対策をしないままこの状態が続くと、

  • 体重は変わらないのに体力・筋力だけがじわじわ落ちていく
  • 週末にまとめて運動しようとして、逆に疲労が抜けない
  • 「歩いているのに痩せない・むしろ体がなまる」という違和感を抱え続ける

といった状態になりやすいです。誇張ではなく、こうした「静かな運動不足」は本人が気づきにくいのが特徴で、久しぶりに階段を全力で上ったときに息切れして初めて気づく、というパターンが多い印象です。

出社日と在宅日で「運動のやり方」を分けて考える

ここでおすすめしたいのは、出社日用と在宅日用で、あらかじめ運動のタイミングと種目を分けて決めておくことです。行動科学の分野では、「いつ・どこで・どうやるか」を事前に具体的に決めておく(実行意図と呼ばれる手法)ことで、実際に運動を実行できる割合が高まることが複数の研究で報告されています。「疲れたらやろう」ではなく「帰宅して着替えたら、まずステッパーに10分乗る」のように決めてしまうのがポイントです。

帰宅後の「歩数の穴埋め」にはステッパー

出社日は疲れて外に出る気力が残っていないことが多いので、玄関から数歩の場所で完結する運動が現実的です。ステッパーであれば、ニュースやドラマを見ながら座らずに済ませられるので、心理的なハードルがかなり低くなります。

  • 昇降ストローク15〜20cm程度のものなら、賃貸の6畳程度の部屋でも置きやすい
  • 静音設計・油圧式のモデルは、集合住宅での使用でも比較的音を気にしにくい
  • 1回15〜20分、心拍数が少し上がる程度の負荷を目安にする

ステッパーの選び方や、むくみ対策としての活用法については、詳しくはこちらの記事も参考にしてください:座りっぱなしで脚がむくむ在宅勤務者のステッパー選びで詳しく解説しているので、こちらも参考にしてみてください。

革靴・立ちっぱなしで固まった脚をほぐすフォームローラー

出社日特有の悩みとして、革靴やヒールでの移動、オフィスチェアとは違う姿勢での立ち仕事などによって、ふくらはぎや太もも前面がパンパンに張ることがあります。これは筋トレの疲労とは違い、単純な血流の滞りと筋膜の硬さが原因になっていることが多いです。

フォームローラーで太もも前面・ふくらはぎ・お尻の外側を、1部位あたり30秒〜1分程度、体重をかけながらゆっくり転がすと、張りが和らぐのを感じやすいです。ただし「痛気持ちいい」程度に留め、強い痛みを我慢してまで押し当てる必要はありません。

置き場所や収納の工夫についてはあわせて読みたい:座りっぱなしフリーランスのためのフォームローラー選びと収納法でも触れているので、あわせてチェックしてみてください。

出社バッグに入れておけるレジスタンスバンド

通勤中の歩行では鍛えられない下半身・体幹の筋力を補うには、レジスタンスバンドが手軽です。ラテックス製の輪っかタイプであれば折りたたんでも手のひらサイズになるので、通勤バッグに常備しておき、帰宅後や出社前の数分だけ使うという運用がしやすいです。

  • 強度は「ミディアム」1本から始めて、慣れてきたら「ヘビー」を追加する
  • ヒップリフトやサイドステップなど、足音が出ない種目を中心に選ぶ
  • 1セット10〜15回×2〜3セット程度が目安

レジスタンスバンドでのトレーニングは、ダンベルなど従来の器具と比べても、筋力向上の効果自体は同程度に得られるとするメタ分析も報告されています。「バンドだから軽い運動」と侮らず、強度を選べば十分な負荷を確保できる道具です。

モチベーションが続かないときの現実的な考え方

正直なところ、出社が増えると「自宅でわざわざ運動する気力」が湧きにくくなるのは自然なことです。筆者自身、ジムのように誰かが隣で頑張っている環境がない自宅トレーニングでは、一人でモチベーションを維持し続けることの難しさをずっと感じています。だからこそ、「気力がある日にたくさんやる」よりも、「疲れていてもできる最低ラインを決めておく」ほうが、長い目で見ると続けやすいというのが実感です。

新しい習慣が「意識しなくてもできる」レベルに定着するまでには、ある研究では中央値で66日程度かかったという報告もあります。出社リズムが変わった直後の1〜2週間で「効果がない」と諦めてしまうのはもったいないので、まずは1ヶ月ほど、帰宅後10分のステッパーだけでも続けてみることをおすすめします。

まとめ

出社が増えたことで運動不足を感じているなら、その原因は「歩いていないから」ではなく、「歩いているつもりで、筋力への刺激がほとんどない移動しかしていないから」というケースが多いです。通勤の徒歩と自宅での運動は役割がまったく違うものだと割り切り、

  • 帰宅後の隙間時間はステッパーで有酸素運動を補う
  • 立ち仕事や革靴移動で固まった脚はフォームローラーでケアする
  • レジスタンスバンドで筋力刺激そのものを補う

という形で、出社日・在宅日それぞれに合った運動を事前に決めておくと、疲れていても実行しやすくなります。個人差はあるので、まずは無理のない範囲から自分に合ったやり方を見つけてみてください。

よくある質問

Q. 出社日は運動を完全に休んでもいいですか?

A. 完全に休むこと自体が問題というわけではありません。ただ、「出社=運動した」という思い込みだけで判断してしまうと、実際には運動量が足りていないケースが多いので、帰宅後に5〜10分だけでも体を動かす時間を作ることをおすすめします。

Q. 満員電車で立っているのも運動になりますか?

A. まったくのゼロではありませんが、強度としてはごく軽いものにとどまります。筋力トレーニングの代わりにはならないと考えて、別途下半身や体幹に刺激を入れる時間を作るほうが現実的です。

Q. ステッパーとフォームローラー、どちらを先に揃えるべきですか?

A. 疲労感や脚の張りが強いなら先にフォームローラーでケアを始め、体力・持久力の低下が気になるならステッパーから、という選び方が一つの目安になります。どちらも比較的手頃な価格帯で入手しやすいので、両方を少しずつ試しながら自分に合う使い方を探るのもおすすめです。

Q. 帰宅後は疲れて何もやる気が起きません。それでも続けるコツはありますか?

A. 「やる気が出たらやる」のではなく、「着替えたら機械的にステッパーに乗る」のように、行動のきっかけと手順を事前に決めておくと実行しやすくなるとされています。最初の数週間は特に負荷を下げてでも継続することを優先してみてください。

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