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「今日も腕立て伏せ20回×3セット、余裕でできた」
一人暮らしを始めてから毎日続けてきた腕立て伏せが、ある日ふと「楽勝」に変わっていることに気づいた経験はありませんか。最初はプルプルしていたのに、今は息も切れずに終わってしまう。でも器具は何も持っていないし、次に何をすればいいのか分からない——これ、完全初心者が必ず一度は通る「伸び悩みポイント」なんですよね。
この記事では、ダンベルやマシンを買わずに、同じ腕立て伏せのまま負荷を上げる2つの方法(角度・テンポ)を、器具の使い方が分からない人にも分かるように解説していきます。
そのまま回数だけ増やし続けるとどうなるか
「じゃあ50回に増やせばいいのでは?」と思うかもしれません。実際、回数を増やすこと自体は間違いではないのですが、ずっとそれだけを続けると、次第に筋肉を育てるための負荷というより、ただの持久力トレーニングに近づいていくという問題が出てきます。
体は「同じ負荷」に慣れてしまうと、それ以上の変化を起こしにくくなる仕組みがあると言われています。これは筋トレの世界で「漸進性過負荷」と呼ばれる考え方に関わってくる話で、器具を持たない完全初心者にとっては特に見落としやすいポイントです。詳しい仕組みは「漸進性過負荷」って何?ダンベル1組しかない人の対処法で解説しているので、興味がある方はそちらも覗いてみてください。
ここで大事なのは、回数を無限に増やすのではなく、「角度」と「テンポ」という2つの軸で負荷そのものを変えていく という発想です。これなら器具を1つも買わなくても、今日からできます。
角度を変えるとなぜ負荷が変わるのか
腕立て伏せは、体重の一部を手と足で分け合って支える運動です。手の位置を高くすると体にかかる負荷は軽くなり、逆に手の位置を低くしたり足を高くしたりすると、腕や胸にかかる負荷はぐっと重くなります。これは、体をどの角度で傾けるかによって、上半身にどれくらいの体重が乗るかが変わってくるためです。
- もっと簡単にしたい場合:ソファの座面やベッドの縁など、少し高さのあるものに両手をついて行う
- 今の腕立て伏せに慣れてきた場合:床に手をついたまま、足を椅子や玄関の段差など安定した台に乗せて行う
- さらに負荷を上げたい場合:手をつく位置を、床よりさらに低い場所(プッシュアップバーなど)に置く
意外かもしれませんが、「足を高くする」よりも「手を低い位置に置く」ほうが、初心者にとっては体勢が安定しやすく、結果的に安全に負荷を上げられるケースが多いです。足を高くする方法は見た目の変化がはっきりしていて分かりやすい反面、バランスを崩しやすいという弱点があるんですよね。この順番、意外と気づかれていないポイントかもしれません。
テンポを変えるという、もう一つの負荷アップ法
角度以外にもう一つ、器具なしでできる負荷アップの方法があります。それが「テンポ」を変えることです。
具体的には、腕立て伏せで体を下ろす動作を、いつもより時間をかけてゆっくり行うというやり方です。目安として、体を下ろすときに3〜4秒かけ、一番下でも1秒止まってから元に戻る、というテンポを試してみてください。同じ10回でも、明らかにきつさが変わってくるはずです。
これは、筋肉が力を出している時間が長くなることで、体にかかる刺激の総量が増えると考えられているためです。このあたりのゆっくり動く筋トレの考え方自体は他の記事でも詳しく扱っているので、気になる方は『スロートレーニング』って何?器具なしでゆっくり効かせる方法も参考にしてみてください。
器具を使うとどう変わる?プッシュアップバーの役割
角度とテンポだけでも十分に伸び悩みは解消できますが、「もっと深く体を下げたい」「手首が痛くなりやすい」という悩みが出てきたら、プッシュアップバーという、床に固定して両手で握って使う腕立て伏せ専用の道具を検討してもいいタイミングです。
プッシュアップバーを使うと、手のひらを床に直接つけないため手首が反り返らず、自然な角度で体を支えられます。また、床から手の位置が数センチ上がることで、床に手をついたときよりも体を深く下げられるようになり、動作の可動域が広がるというメリットもあります。
購入時は、商品ページの「耐荷重」欄と「グリップ部分の素材」欄を必ず確認しましょう。耐荷重は自分の体重に余裕を持って対応できるものを、グリップは滑りにくいゴムやウレタン素材のものを選ぶと安心です。
ただ、器具を増やす前に「本当に今買うべきか」を一度立ち止まって考えるのもおすすめです。筆者自身、自宅トレを始めた当初は色々買いすぎて、結局使わないまま収納スペースを圧迫してしまった器具がありました。角度とテンポだけでまだ伸びる余地がある人は、焦らなくても大丈夫です。買うタイミングの見極め方については自重だけで十分?器具が欲しくなるタイミングの見極め方でも詳しく書いています。
床に直接手をつく人が見落としがちな2つの道具
腕立て伏せを続けていく上で、プッシュアップバー以外にも地味に効果を発揮するアイテムがあります。
ヨガマットとトレーニングマットは実は別物で、ヨガマットは薄手(3〜6mm程度)で滑りにくさを重視した作りが多く、トレーニングマットは厚手(10mm以上)で防音・クッション性を重視した作りになっています。腕立て伏せのように手をしっかりついて体を支える動きでは、手のひらが滑らない厚み6mm前後のヨガマットを選ぶと安定感が増します。
もう一つ地味に役立つのがリストバンドです。テンポを落として1回にかける時間が長くなると、これまでより汗をかきやすくなり、汗が目に入ったり、床に垂れてマットを滑りやすくしたりすることがあります。手首に巻いて汗を拭える吸水性の高いタイプを1つ持っておくと、動作の途中で手を止めずに済みます。
まとめ
腕立て伏せの回数に慣れてきたら、無理に回数だけを追い求める必要はありません。手をつく高さを変える「角度」と、動作の速さを変える「テンポ」、この2つを組み合わせるだけで、器具なしでも負荷はしっかり上げていけます。そのうえで手首の負担や可動域の狭さが気になってきたら、プッシュアップバーのような専用道具を検討するという順番がおすすめです。焦らず、自分の体の反応を見ながら少しずつ調整していってください。
よくある質問
Q. 角度を変えるのとテンポを変えるの、どちらから試すべき?
A. どちらから始めても構いませんが、初めての人はまずテンポ(ゆっくり下ろす)から試すのがおすすめです。場所や道具を一切変えずに試せるので、今の姿勢のまま負荷の変化を体感しやすいです。
Q. プッシュアップバーがないと角度は変えられない?
A. 変えられます。床や台、ソファなど家にあるものの高さを利用するだけでも角度は十分に変えられます。プッシュアップバーはあくまで可動域と手首の角度をさらに改善するための道具という位置づけです。
Q. 手を低くする方法で、足を乗せる台は何を使えばいい?
A. 玄関の段差や安定した椅子など、ぐらつかないものを選んでください。座面が柔らかいソファや不安定な踏み台は、バランスを崩す原因になるので避けたほうが安全です。
Q. 角度を上げてから急に手首が痛くなったが、続けても大丈夫?
A. 痛みが出た場合は無理に続けず、一度中断してください。角度やテンポを変えると使う筋肉のバランスも変わるため、慣れない負担が手首にかかることがあります。痛みが続く場合は自己判断せず、専門家に相談することをおすすめします。
Q. 1セットあたり何回を目安にすればいい?
A. 個人差があるので明確な正解はありませんが、角度やテンポを変えたことで今までの回数がきつく感じられるなら、それは負荷が上がっているサインです。まずは今までと同じ回数を、新しい角度・テンポでできるかどうかを目安にしてみてください。
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