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一日に自転車で40〜50km近く走る日もあれば、雨の日は数件しか回れずに終わる日もある。Uber Eatsをはじめとするフードデリバリーの仕事は、稼働量も体の使い方もかなり偏りがちです。脚はパンパンなのに、家に帰ってストレッチしようとすると「そういえば今日、腕とか背中とか一切使ってないな」と気づく。この”使っている部位の偏り”こそが、配達員特有の体の悩みの正体だったりします。
配達員の体は「脚だけ酷使、上半身は放置」になりやすい
ペダルを漕ぐ、荷物を持って階段を上る、信号でバランスを取る——配達の仕事は下半身と心肺機能をかなり使います。一方で、上半身はハンドルを握って保温バッグを支えているだけで、大きな筋力発揮はほとんど起きていません。
さらに見落とされがちなのが、保温バッグを片方の肩や背中の同じ位置にかけ続けることによる姿勢の左右差です。毎日同じ側に荷重をかけていれば、体は少しずつその状態に合わせて固まっていきます。
- 脚は張っているのに上半身は使われていない
- バッグの重さが常に片側に偏っている
- 信号待ち以外は座りっぱなし、または前傾姿勢の維持
これらが積み重なると、慢性的な腰の重だるさや肩の張り、さらには自転車を漕ぐときのフォームそのものの安定感の低下につながっていくことがあります。
対策をしないとどうなるか
「脚は疲れてるから運動になってるはず」と考えて上半身・体幂のケアを後回しにしていると、体の非対称性がどんどん定着していきます。オフの日になっても腰の重さが抜けない、長時間座っているだけで腰が痛くなる、といった状態に近づいていくケースは珍しくありません。
慢性的な腰痛に対しては、コアの安定性を高める運動(コアスタビリティ運動)が、少なくとも短期的には一般的な運動よりも痛みの軽減や機能改善に優れていたとするメタ分析も報告されています。つまり、体幂を意識して動かすこと自体には、それなりの根拠があるわけです。ただし長期的な効果差はあまり見られなかったという結果も出ており、「一度やれば一生腰痛と無縁」というような断定はできません。あくまで一般的な傾向の話として捉えてください。
そしてもう一つ、意外と語られないポイントがあります。体幂の弱さは、実は自転車を漕ぐときの安定性そのものに直結しているという点です。体幂がぐらつくと、ペダリングのたびに上半身が左右に揺れ、力が推進力にうまく変換されなくなります。「脚を鍛えれば速く走れる」と思われがちですが、実際には体幂の安定性が土台になっているんですよね。これは配達の効率だけでなく、雨の日や荷物が重い日のふらつき・転倒リスクにも関わってくる部分なので、見過ごさないほうがいいポイントだと感じます。
隙間時間にできる、体幂・上半身の補強トレーニング
配達員の稼働はランチ・ディナーのピーク時間帯に集中し、その間には比較的まとまった空き時間ができることが多いはずです。この隙間時間を使って、5〜10分だけ上半身・体幂に刺激を入れる習慣を作ってみましょう。
- プランク(30秒×2〜3セット)で体幂の土台を作る
- 軽量ダンベルでのショルダープレス・ロウイングで、普段使わない肩まわりと背中を動かす
- 片手だけで行う種目を1〜2種目入れて、左右差を意識的に整える
軽量ダンベルを使う理由は、可変式であれば1kg刻みで重さを調整でき、6畳程度の部屋でも収納に困らないからです。片手種目を取り入れれば、荷物の持ち方で生まれた左右の偏りを打ち消す方向にも働きます。運営者自身も、自宅にある器具の中ではダンベルが一番出番が多く、少ない種類のダンベルだけで上半身の主要な部位を幅広くカバーできる点が便利だと感じています。
体幂・上半身の鍛え方の基本、フォームの見方についてより詳しく知りたい場合は詳しくはこちらの記事も参考にしてください:「フォームが大事」ってどういう意味?初心者向け姿勢の見方も参考にしてみてください。
稼働後の脚のケアはフォームローラーで
脚の疲労そのものをどうケアするかについては、太もも前面やふくらはぎをフォームローラーでほぐすという方法が定番です。ただし、この部分は既に別記事で詳しく扱っているので、ここでは簡単に触れるだけにしておきます。
自転車移動特有の腰・お尻のこわばりケアや器具選びの詳細はあわせて読みたい:自転車通勤で腰やお尻がガチガチ、狭い部屋でできるケア器具選びにまとめているので、そちらを参照してください。
なお、車移動が中心の訪問介護・訪問看護の仕事にも似たような「移動は多いのに体幂は使わない」という悩みがあります。移動手段が違うだけで悩みの構造は近いので、興味があればこの点については別記事でも詳しく解説しています:訪問介護・訪問看護で車移動が多い一人暮らしの車内収納トレ器具も覗いてみると発見があるかもしれません。
不規則な食事とプロテインの付き合い方
配達員は稼働時間が読めないぶん、食事のタイミングもかなり不規則になりがちです。ピーク帯が終わってから遅い食事を取る、コンビニで済ませる、といった日も多いのではないでしょうか。
こうした生活の中で、プロテインを「食事の補助」として取り入れている配達員も一定数います。運動後のタンパク質摂取タイミングについては、ロイシンを含むホエイプロテインを運動後に摂ることが有効とされる一方で、摂取のタイミング自体が筋力や除脂肪体重に与える影響は明確ではなかったとする研究結果もあり、専門家の間でも見解が完全に一致しているわけではありません。「稼働直後じゃなきゃダメ」と気負う必要はなく、帰宅後の食事が遅くなりそうな日の栄養補給の選択肢の一つくらいに考えておくのが現実的です。
プロテインの成分表示の読み方や選び方の基本はより詳しい内容はこちらへ:プロテインって本当に必要?筋トレ始めたばかりの人がまず知ることで解説しているので、初めて選ぶ人はあわせて確認してみてください。
まとめ
Uber Eats配達員の体の悩みは、「脚だけが酷使され、上半身と体幂が置き去りになる」という構造的な偏りから生まれています。体幂を鍛えることは腰痛予防だけでなく、自転車操作の安定性そのものにも関わってくるという点は、意外と見落とされがちなポイントです。隙間時間に軽量ダンベルで上半身を動かし、脚のケアはフォームローラーで、不規則な食事はプロテインで補う——それぞれを完璧にこなす必要はなく、できる範囲から少しずつ取り入れていけば十分です。個人差もあるので、自分の稼働リズムに合った方法を見つけていってください。
よくある質問
Q. 配達中の信号待ちでもできる体幂トレーニングはありますか?
A. 信号待ちの数十秒でできるほど短い体幂運動は現実的には難しいです。無理に取り入れようとするより、ピーク間の空き時間や稼働後のまとまった時間に落ち着いて行うほうが、フォームも安定しやすくおすすめです。
Q. 雨の日で稼働が少ない日は何をすればいいですか?
A. 稼働が少ない日は体への負担も小さいぶん、体幂・上半身のトレーニングを重点的に行うチャンスでもあります。逆に稼働が多かった日は無理をせず、フォームローラーでのケア中心に切り替えるなど、その日の疲労度に合わせてメニューを調整してみてください。
Q. 軽量ダンベルは何kgから始めればいいですか?
A. 初めての場合は2〜3kg程度から試し、フォームが崩れずに扱えるかを確認しながら少しずつ重さを上げていくのが無難です。可変式のものであれば、慣れてきたときにわざわざ買い替える必要がないので便利です。
Q. プロテインは配達直後じゃないと意味がないのでしょうか?
A. 摂取タイミングの厳密さにこだわりすぎる必要はないという見方もあります。稼働後すぐに食事が取れない日の栄養補給の選択肢として、無理のない範囲で取り入れる程度で問題ありません。不安がある場合は医師や薬剤師にも相談してみてください。
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