『ドローイン』『腹圧』って何?お腹に力を入れる感覚が分からない人へ

『ドローイン』『腹圧』って何?お腹に力を入れる感覚が分からない人へ|用語集のイメージ画像 用語集

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筋トレ動画を見ていると、インストラクターが涼しい顔で「はい、お腹に力を入れてくださいね」「腹圧を意識しましょう」と言ってきます。でも、実際にやってみようとすると「力を入れる」って具体的に何をすればいいのか、正直よく分からないですよね。

お腹を凹ませればいいのか、逆に膨らませればいいのか。力を入れているつもりでも、それが合っているのか間違っているのか誰も教えてくれない。結局「たぶんこんな感じかな」で流してしまい、次の動画でも同じ指示に戸惑う……という人は少なくないはずです。

この記事では、「ドローイン」と「腹圧」という2つの似た用語を、体の中で何が起きているかというレベルまで分解して説明します。実はこの2つ、似ているようで方向性がほぼ逆なんです。この違いが分かると、「お腹に力を入れて」という指示の意味がかなりクリアになります。

そもそも「ドローイン」と「腹圧」は別のもの

まず整理したいのが、この2つの言葉が指している動きは似ているようで違うという点です。

  • ドローイン:お腹をぐっと凹ませる動き。おへその下あたりを、背骨に近づけるようなイメージ
  • 腹圧(ブレーシングと呼ばれることもあります):お腹を凹ませるのではなく、逆に内側から外に向けて張り出すように力を入れて、お腹全体を固める動き

つまりドローインは「凹ませる」、腹圧は「固める(張る)」なので、動きの方向としては真逆に近いんですよね。トレーニング動画で「お腹に力を入れて」と言われている場面の多くは、実は腹圧(お腹を固める方)を求めているケースが多いと言われています。ドローインは、姿勢を整える系のエクササイズやピラティスで使われることが多い動きです。

この違いを知らずに「お腹を凹ませる」ばかり意識していると、実際に必要な「固める」感覚がいつまでも掴めないままになってしまう、というのはありがちな落とし穴です。

お腹周りの筋肉がそもそもどこにあるのかイメージしづらい人は、先に「体幹」「コア」ってどこの筋肉?初心者向け用語ガイドを読んでおくと、この後の説明がぐっと分かりやすくなります。

腹圧が抜けたままだと何が起こるのか

「よく分からないから、とりあえず力を入れずにやってしまう」という状態が一番リスクがあります。

腹圧が抜けたまま、例えばダンベルを持ち上げたり、床から重いものを引き上げたりする動きをすると、体幹(お腹から背中にかけての筒状の部分)が支えを失った状態になります。その結果、腰の骨や周りの筋肉だけで無理に体重や重さを受け止めることになり、腰への負担が集中しやすくなると言われています。

「なんとなく腰が張る」「筋トレの翌日、腰だけ変な痛みが残る」という経験がある人は、腹圧が抜けたまま動いていたことが一因になっている可能性があります。

特に重い物を持ち上げる・引く動きをするときは、腹圧が抜けたままだと腰への負担が集中しやすいので、動き始める前にお腹を固める意識を持つことが大切です

感覚を掴むための3つの練習法

いきなり「筋トレ中に腹圧を入れて」と言われても難しいので、まず日常の中にある似た感覚を探してみましょう。

  • くしゃみをする直前の感覚:くしゃみをする瞬間、思わずお腹全体にぐっと力が入りますよね。あの「力を入れよう」と意識していないのに勝手に固まる感覚が、腹圧に近いものです
  • お腹を四方に押される感覚:仰向けに寝て、両手を腰骨の内側あたりに当て、咳をしてみてください。その瞬間、手のひらに向かってお腹が押し返してくる感覚があります。それが「お腹を固める」動きです
  • ベルトを締めるイメージ:ズボンのベルトを内側から押し広げるように、お腹の中で360度風船を膨らませるようなイメージを持つと分かりやすいと言われています

この感覚は、呼吸のタイミングと組み合わせて練習するとさらに掴みやすくなります。息を吐きながら固めるのか、吸いながら固めるのかで迷う人も多いので、そのあたりの基本は筋トレ中の呼吸って吐く・吸うどっち?初心者が戸惑う基本で詳しく解説しています。

感覚が分からない人が頼ってもいい道具たち

自分の体だけでは感覚が掴みづらい場合、外側から補助してくれる道具を使うのも一つの方法です。あくまで感覚を掴むための補助であり、これを着けたから腹圧トレーニングになる、という断定的なものではない点は前提として知っておいてください。

骨盤ベルトは、もともと腰痛対策や姿勢サポート用に作られている製品が多く、お腹周りをきゅっと締めることで「お腹を固める」感覚を体に教えてくれる役割があります。商品ページを見るときは、サイズ表(ウエスト実測サイズ)と、素材欄に「メッシュ」「伸縮性あり」などの記載があるかを確認しておくと、締め付けすぎて苦しくなる失敗を避けやすくなります。

腹筋補助ベルトは、腹筋系の動きをするときに腰を支える目的で使われることが多い製品です。こちらも「耐荷重」や「対応ウエストサイズ」の欄を見て、自分の体格に合うかを確認してから選ぶと安心です。

仰向けで練習するなら、マットの厚みにも注意

腹圧やドローインの練習は、仰向けで寝た状態で行うことが多いです。ここで初心者がよく迷うのが「ヨガマットとトレーニングマット、何が違うの?」という点です。

  • ヨガマットは薄手(3〜6mmほど)のものが多く、床の感覚を掴みやすいのが特徴です。姿勢や体の細かい動きを感じ取りたい練習には向いています
  • トレーニングマットは厚手(10mm以上)のものが多く、クッション性を重視しているため、腕立てや腹筋のように体を強く動かす種目、床への衝撃を抑えたい種目に向いています

腹圧・ドローインの練習のように、体の内側の感覚を確かめたい場面では、沈み込みすぎない薄手のヨガマットの方が体の反応を感じやすいと言われています。

まとめ

「お腹に力を入れて」という一言には、実は「凹ませる(ドローイン)」なのか「固める(腹圧)」なのか、2つの違う動きが混ざって使われています。まずはこの区別を知っておくだけで、動画の指示がぐっと具体的に感じられるはずです。

  • ドローイン=お腹を凹ませる動き
  • 腹圧(ブレーシング)=お腹を内側から外に張って固める動き
  • 感覚が分からない場合は、くしゃみや咳の瞬間の力の入り方を参考にする
  • 骨盤ベルトや腹筋補助ベルトは、感覚を掴む補助として使ってもよい
  • 練習にはマットの厚みも体の感じ方に影響する

いきなり完璧にできる人はほとんどいないので、最初は「たぶんこの感覚かな」くらいの精度で全然大丈夫です。何度も練習しているうちに、少しずつ「あ、これか」という瞬間が来ることが多いので、焦らず続けてみてください。

よくある質問

Q. ドローインと腹圧、結局どっちを練習すればいいですか?

A. トレーニング中に「お腹に力を入れて」と言われる場面では、腹圧(お腹を固める動き)が求められていることが多いと言われています。ただし種目やプログラムによって求められる動きが異なるので、迷う場合はその動画・プログラムの説明を確認してみるのがおすすめです。

Q. 力を入れているつもりでも、正しいかどうか分かりません

A. 完全に正しいかどうかを自分だけで判断するのは難しいものです。まずは咳やくしゃみの瞬間の感覚と近いかどうかを目安にし、慣れてきたら鏡やスマホの録画で姿勢が崩れていないかを確認する方法もあります。

Q. 骨盤ベルトを着ければ腹圧を入れなくても大丈夫ですか?

A. ベルトはあくまで感覚を掴むための補助や、姿勢のサポートとして使われるものであり、自分でお腹を固める力そのものを代わりに発揮してくれるわけではないと言われています。ベルトに頼りきりにせず、練習と併用するくらいの位置づけで考えるとよいでしょう。

Q. お腹に力を入れるのが苦手で、いつまでも感覚が掴めません

A. 個人差が大きい部分なので、数回試して分からなくても気にしすぎなくて大丈夫です。日常生活の中で「くしゃみの瞬間」「重い荷物を持ち上げる瞬間」など、力が勝手に入るタイミングを意識的に観察してみると、少しずつヒントが見えてくることがあります。

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