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初めて可変式ダンベルを買った日のことを想像してみてください。箱を開けて、ダイヤルを回して重さを調整して、さあやるぞ、と構えたところで手が止まる。
「これ、何キロで何回やればいいんだろう」
そして筋トレ系の動画やジムの会話を覗くと、「まずウォームアップセットから」「本セットは重めで」なんて言葉が飛び交っていて、余計に混乱する……。そんな経験、ありませんか。
この記事では、その「ウォームアップセット」「本セット」という言葉の意味を、器具の名前も種目のやり方も一切知らない前提から解説していきます。専門的な理屈よりも先に、「今日、この重さで何をどうすればいいのか」がイメージできる状態を目指します。
ウォームアップセットって何?
まず結論から言うと、ウォームアップセット=本番の前にやる、軽い重さでの「体慣らし」のセットのことです。
「セット」というのは、ダンベルを持ち上げる動きを何回か繰り返すひとまとまりのことを指します(この「何回」の部分の考え方については「3セット10回」って何?数字の意味が分からない完全初心者へで詳しく説明しているので、そちらも合わせて読んでみてください)。
ウォームアップセットの目的は、いきなり重いダンベルを持ち上げようとして体がびっくりしてしまうのを防ぐことです。運動前に軽く体を動かす、という意味では準備運動に近いのですが、ウォームアップセットの場合は「これからやる種目そのものの動き」を、軽い重さでリハーサルする、というニュアンスが強いのが特徴です。
例えば「アームカール」という、肘を曲げ伸ばししてダンベルを持ち上げ下ろしする、腕の力こぶあたりを使う種目があります。この場合のウォームアップセットは、本番でやるアームカールと同じ動きを、うんと軽い重さで数回やってみる、というイメージです。
本セットって何?
対して本セット=実際にその日の目標として、狙った回数まで頑張って持ち上げるセットのことです。ウォームアップセットで体を慣らした後に行う、いわば「本番」にあたります。
初心者のうちは、この「本セット」だけを気にしがちなのですが、実はウォームアップセットを飛ばしていきなり本セットに入ってしまうと、いくつかのリスクがあります。
ウォームアップを飛ばすとどうなる?
いきなり重いダンベルで動き始めると、こんなことが起こりやすくなります。
- 筋肉や関節が「これからどう動くか」を把握できておらず、フォームが崩れやすい
- 力の入れ方が分からないまま重さに負けて、変な体勢で持ち上げてしまう
- 特に肩・腰・膝といった部位は、準備不足の状態での急な負荷に弱いとされている
実際、レジスタンストレーニング(ダンベルなどの重りを使ったトレーニング全般のことです)の傷害を調べたレビューでは、傷害の発生率はやり方によって幅があるものの、伝統的なウェイトトレーニングは比較的安全な部類だと報告されています。ただしこれは「正しく行えば」という前提つきの話で、いきなり重さを上げるような雑な進め方をすれば、その「安全な部類」から外れてしまう可能性もある、という点は覚えておいて損はありません。
つまりウォームアップセットは「面倒な前置き」ではなく、本セットを安全に、そして効果的に行うための土台だということです。ここだけは省略せずに押さえておきたいポイントです。
完全初心者、何キロから始めればいい?
ここが一番知りたいところだと思います。結論としては「明確な正解の数値」はなく、体格や筋力には個人差があるため、以下のような手順で自分の重さを見つけていくのがおすすめです。
- ウォームアップセット:本セットで使いたい重さの半分〜3分の1程度の軽さから始める(例えば本セットで5kgを予定しているなら、2〜3kg程度)
- 本セット:ウォームアップで動きに慣れた後、「最後の1〜2回がギリギリきつい」と感じる重さを目安にする
- 最初の1週間はあえて軽めの重さに留めて、フォームの感覚をつかむことを優先する
初心者のうちは「軽すぎるかも」と思うくらいの重さから始めても全く問題ありません。むしろ最初に重すぎる重さを選んでしまうと、フォームが崩れたまま体が動きを覚えてしまうこともあるので注意が必要です。
可変式ダンベルなら「重さの階段」が作りやすい
ウォームアップセットと本セットで重さを変える、という発想と特に相性がいいのが可変式ダンベルです。ダイヤルやピンを操作するだけで重さを切り替えられるので、いちいち別のダンベルに持ち替える必要がありません。
商品ページを見るときは、以下の欄を必ずチェックしましょう。
- 調整可能な重量幅(例:2kg〜20kgなど、最小値と最大値の両方)
- 1段階あたりの刻み幅(1kg刻みか2kg刻みかで、ウォームアップから本セットへの「階段」の細かさが変わります)
- 収納時のサイズ(可変式は固定式より箱が大きくなりがちなので、置き場所を先に確認しておくと安心です)
ちなみに筆者の周りでも、自宅の器具の中で「ダンベルとベンチが一番買ってよかった」という声をよく聞きます。理由としては、この2つがあれば体のかなり多くの部位を、重さを変えながら鍛えられるからです。逆にベンチプレス専用のバーベルセットのような、重量挙げに特化した器具は、賃貸の限られたスペースでは出番が少なくなりがちだった、という失敗談も耳にします。最初の1〜2点は、可変式ダンベルのような「幅広く使える器具」から選ぶのが無難と言えそうです。
手が滑る、グリップが心配な人へ
ウォームアップセットから本セットまで、同じダンベルを長く握り続けると、手のひらが汗ばんで滑ることがあります。特に金属製やラバー製のグリップは、汗をかくと滑りやすくなる素材なので、心配な人はトレーニンググローブを検討してみてください。
グローブを選ぶときは、手のひら部分の素材(合成皮革か本革か)と、手首を固定するベルトの有無を確認しておくと、フィット感の違いが分かりやすくなります。
¥2,200(GracefulCreations 楽天市場店)
セットとセットの間、何分休めばいい?
ウォームアップセットが終わったら本セットまで少し休み、本セットとその次のセットの間にも休憩を挟みます。この「休憩時間」を目分量でやろうとすると、つい長引いたり、逆に息が整わないうちに次を始めてしまったりしがちです。
そこで役立つのがインターバルタイマーです。スマホのタイマーでも代用できますが、専用のインターバルタイマーなら、あらかじめ「30秒」「1分」のように休憩時間を設定しておくだけで、音や振動で知らせてくれます。
まとめ
ウォームアップセットは「軽い重さで動きを体に覚えさせる準備」、本セットは「その日の目標として頑張って持ち上げる本番」というのが、両者のシンプルな違いです。
最初は重さの感覚がつかめず戸惑うと思いますが、ウォームアップセットを軽めの重さから始めて、少しずつ本セットの重さへと近づけていく、という「階段を上る」ような感覚を持てば、大きく失敗することはないはずです。あくまで一般的な目安の話なので、体調やその日の疲労具合によって重さを調整するのも大切にしてください。
よくある質問
Q. ウォームアップセットは毎回何セットやればいいですか?
A. 明確な決まりはありませんが、初心者のうちは1〜2セット程度、軽い重さで動きを確認する程度でも十分とされています。回数よりも「本セットの重さに近づけていく」段階を踏むことの方が大切です。
Q. ウォームアップセットをやると疲れて本セットの回数が減ってしまいます。それでもいいですか?
A. ウォームアップセットはあくまで軽い重さで行うものなので、本セットに影響が出るほど疲れてしまう場合は、重さが重すぎるか回数が多すぎる可能性があります。もう少し軽い重さ・少ない回数に調整してみてください。
Q. 本セットで「最後の1〜2回がきつい」重さが分からないときはどうすればいいですか?
A. 最初のうちは軽めの重さで様子を見ながら、数回のトレーニングを重ねる中で少しずつ重さを見直していくのが現実的です。焦って重さを上げる必要はありません。
Q. ウォームアップなしでいきなり本セットから始めてしまったら、その日はもうダメですか?
A. 1回だけなら大きな問題になるとは限りませんが、習慣化するとフォームの崩れや部位への負担につながりやすいとされています。次回からはウォームアップセットを組み込むことをおすすめします。
Q. ウォームアップセットとストレッチは同じものですか?
A. 違います。ストレッチは体全体をほぐす準備運動的な位置づけで、ウォームアップセットはこれから行う種目そのものの動きを軽い重さでリハーサルするものです。両方組み合わせている人も多いです。
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