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腕立て伏せをやってみようと思って床に手をついた瞬間、「あれ、手首がすごく反り返って痛い」と感じた経験はないでしょうか。実はこれ、フィットネス初心者が最初につまずく、かなりあるあるな悩みだったりします。そしてこの悩みを解決する道具として存在するのが、今回紹介する「パラレットバー」です。
とはいえ、「パラレットバーって聞いたことすらない」という方がほとんどだと思います。この記事では、筋トレの前提知識がゼロの状態からでも分かるように、パラレットバーが何なのか、何のために使うのか、似たような名前の道具とどう違うのかを、順を追って説明していきます。
そもそもパラレットバーって何をする道具?
パラレットバーとは、床に置いて使う、持ち手つきの小さな台のような器具です。「パラレル(平行)」という言葉が語源になっていて、その名の通り、2本1組で平行に並べて使うのが基本的な形です。
見た目は、握りやすい太さの棒(バー)が、床から5〜15cmほどの高さで固定されているようなイメージです。この上に手のひらではなく「握って」体重をかけるのが最大の特徴になります。
使う種目の例としては、
- 腕立て伏せという、うつ伏せに近い姿勢から腕の力で体を上げ下げする種目
- Lシットという、両腕で体を持ち上げて脚を前方に伸ばした状態をキープする種目
- ディップスという、腕を伸ばした状態から肘を曲げて体を沈み込ませる種目
などがあります。共有しているポイントはただひとつ、「床に直接手のひらをつかない」という点です。
なぜ床に直接手をつくのが良くないのか
腕立て伏せを普通に床でやると、手のひら全体が床につき、手首が背屈(手のひら側に反り返る動き)した状態になります。この角度が体質的に苦手な人は、手首の前側に強いストレスがかかり、痛みや違和感が出やすいと言われています。
パラレットバーを使うと、手のひらを床につけるのではなく「バーを握る」姿勢になるため、手首を反らさずニュートラルな角度のまま体重を支えられるんですよね。これが、パラレットバーが「手首に優しい」と言われる仕組みです。
また、床から数センチ浮いた状態でトレーニングできるので、胸を床すれすれまで深く沈められるようになります。可動域が広がることで、同じ腕立て伏せでも刺激の入り方が変わってくると言われています。
腕立て伏せ自体は非常にシンプルな種目ですが、決して侮れる運動ではありません。ある研究では、活動的な中年男性を対象にした調査で、腕立て伏せを40回以上できるグループはそうでないグループに比べて、その後10年間の心血管イベントのリスクが低かったという結果も報告されています(あくまで観察された関連性の話であり、腕立て伏せをすれば必ず心血管疾患を防げるという意味ではない点には注意してください)。地味に見えて、続ける価値のある種目だということは覚えておいて損はないと思います。
プッシュアップバーとの違いが分からない問題
初心者が最も混乱しやすいのが、「パラレットバー」と「プッシュアップバー」の違いです。名前も見た目も似ているのでややこしいのですが、実はちゃんと役割が分かれています。
- プッシュアップバー:腕立て伏せ専用に作られた道具。持ち手部分がグリップ状になっていて、腕立て伏せの動作をやりやすくすることに特化している
- パラレットバー:腕立て伏せだけでなく、Lシットやディップスなど「体を持ち上げてキープする」系の種目にも使える、より汎用性の高い台
イメージとしては、プッシュアップバーが「腕立て伏せの専門道具」、パラレットバーが「もう少し幅広い自重トレの土台」という感じです。腕立て伏せしかやらないと決めているならプッシュアップバーで十分ですし、将来的にLシットのような静止系の種目にも挑戦したいなら、パラレットバーのほうが選択肢が広がります。
プッシュアップバー自体の詳しい選び方については、プッシュアップバーの選び方、硬いフローリングでも手首を守る一人暮らし向けガイドで詳しく扱っているので、そちらも参考にしてみてください。
ヨガブロックで代用できる?
「わざわざ専用の器具を買わなくても、家にあるもので代用できないの?」と思う方もいるはずです。結論から言うと、ヨガブロックは簡易的なパラレットバーの代わりとして使われることがある道具です。
ヨガブロックは本来、ヨガのポーズを補助するための、レンガのような形をしたブロック状の道具で、素材はEVAフォームや低反発ウレタンでできているものが多いです。これを2つ、平行に置いて手をつくと、パラレットバーに近い「床から浮いた状態で体を支える」感覚を再現できます。
ただし注意点もあります。
- ヨガブロックは握るための持ち手がついていないため、握力に頼った固定ができない
- 素材が柔らかいものだと、体重をかけたときに沈み込んでバランスを崩しやすい
- 耐荷重がパラレットバー専用品ほど高く設計されていない場合がある
つまり、「試しに感覚だけつかんでみたい」という段階ではヨガブロックでも十分ですが、本格的にディップスやLシットまでやり込みたくなったら、専用のパラレットバーに移行するのが安心だと思います。
初めてパラレットバーを買うときに見るべきポイント
通販サイトでパラレットバーを探すと、似たような見た目の商品がずらっと並んでいて、どれを選べばいいか分からなくなります。完全初心者の方は、商品ページの以下の欄を確認してみてください。
- 「耐荷重」の欄:体重+α(動作中にかかる荷重を考慮して余裕を持った数値)に対応しているか
- 「高さ」の欄:一般的に5〜15cm程度のものが多く、高いほど可動域が広がる反面、バランスを取るのが難しくなる
- 「素材」の欄:木製・金属製・プラスチック製があり、木製は静かで部屋になじみやすい一方、金属製は耐荷重に安心感がある
- 「滑り止め」の有無:底面にゴムがついているかどうかで、フローリングでの安定感が大きく変わる
特に初心者がつまずきやすいのが「耐荷重」の見落としです。体重だけを基準に選んでしまうと、動作中に一時的にかかる荷重に対して余裕がなく、不安定に感じることがあります。数値だけで即決せず、実際に使う種目まで想定して余裕を持った表記のものを選ぶことをおすすめします。
耐荷重表示の読み方そのものについては、腹筋ローラー?レジスタンスバンド?器具の名前が分からない人の図鑑でも触れているので、器具選びに不安がある方は合わせてチェックしてみてください。
筆者自身の話をすると、器具を選ぶときは収納性以上に「部屋の風景になじむかどうか」を意外と気にしています。パラレットバーも木製のシンプルなデザインのものなら、床に置きっぱなしにしていても圧迫感が少なく、インテリアの邪魔になりにくいと感じています。
まとめ
パラレットバーは、床に直接手をつく代わりに握って使う、平行棒状の自重トレーニング器具です。手首をニュートラルな角度に保ちながら深い可動域でトレーニングできる点が、床に直接手をつく方法との一番の違いになります。
似た名前のプッシュアップバーは腕立て伏せ専用、ヨガブロックは簡易的な代用品として使われることがある、という位置づけの違いも押さえておくと、通販サイトで迷わなくなるはずです。まずはヨガブロックで感覚をつかんでみて、続けられそうだと感じたら専用のパラレットバーにステップアップする、という順番でも遅くはありません。個人差もあるので、自分の手首の状態や部屋のスペースに合わせて、無理のない選択をしてもらえればと思います。
よくある質問
Q. パラレットバーは腕の力が弱くても使えますか?
A. はい、使えます。むしろ床に直接手をつくよりも手首の負担が少ないため、腕立て伏せがまだ1回もできないという方にとっても、フォームの練習として取り入れやすい道具だと言われています。無理のない範囲から始めるのがおすすめです。
Q. パラレットバーとディップススタンドは同じものですか?
A. 似ていますが厳密には別物として扱われることが多いです。ディップススタンドは高さがあり、脚を浮かせた状態でディップスを行うことに特化している一方、パラレットバーは低めの高さで、より幅広い種目に対応する汎用的な台という位置づけになります。
Q. 賃貸のフローリングで使っても床は傷つきませんか?
A. 底面に滑り止めゴムがついている製品であれば、多少の傷や滑りは軽減されますが、完全に防げるわけではありません。心配な方は、下に薄手のマットを敷くなどの対策を合わせて検討してみてください。
Q. パラレットバーは何cmの高さを選べばいいですか?
A. 初心者の方は、まず5〜10cm程度の低めのものから試すのが無難だと言われています。高さがあるほど可動域は広がりますが、その分バランスを取るのが難しくなるため、慣れてから高さのあるものにステップアップする方が安全です。
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