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SNSの筋トレ動画、単語が分からなくて置いていかれる問題
Instagramやショート動画で流れてくる筋トレ動画のキャプションに、「今日はメトコン強めで」「これファンクショナル系の動きです」なんて書かれているのを見て、「え、それ何?」と思ったことはないでしょうか。
筆者自身、最初にこの手の動画を見たときは、種目名も器具名も分からず、ただ画面の中で人が汗をかいているのを眺めているだけでした。周りに聞ける人もいないし、検索しても「クロスフィット用語」みたいな専門サイトが出てきて、余計混乱する…という経験がある方も多いはずです。
この記事では、そんな「そもそも何を指しているのか分からない」というレベルから、SNSでよく見る筋トレ用語を一つずつ整理していきます。用語が分かると、動画の内容も「あ、これはこういう動きの組み合わせなんだ」と理解できるようになり、闇雲に真似して怪我をするリスクも減らせます。
そもそも「メトコン」って何の略?
メトコン(Metcon)は、「Metabolic Conditioning(メタボリック・コンディショニング)」の略です。日本語にすると「代謝的コンディショニング」となりますが、これだけだと余計分かりにくいですよね。
簡単に言うと、複数の種目を休憩をほとんど取らずに次々とこなしていく、心拍数を高く保ち続けるタイプのトレーニングのことを指します。もともとはクロスフィットというジャンルで使われ始めた用語で、SNSではその流れで広く使われるようになりました。
例えば「スクワット(膝を曲げて腰を落とし、また立ち上がる、しゃがむ動きの種目)」と「腕立て伏せ(床に手をついて体を上下させる、腕と胸を使う種目)」を、休憩なしで交互に何セットも繰り返す、といったメニューが典型的なメトコンです。
つまりメトコンは「特定の1種目」の名前ではなく、トレーニングの組み立て方・進め方のスタイルを表す言葉なんですね。ここが最初に混乱しやすいポイントだと思います。
「ファンクショナル」ってどういう意味?
もう一つよく見かける「ファンクショナル(Functional)」は、英語で「機能的な」という意味です。
トレーニングの世界では、日常生活の動き(立つ、しゃがむ、物を持ち上げる、体をねじる等)に近い、複数の関節や筋肉を同時に使う動きをする種目のことを「ファンクショナルトレーニング」と呼びます。
これに対して、例えば「腕だけを鍛える」「お腹だけを鍛える」のように、1つの部位・関節だけを狙う種目は「アイソレーション(分離した)種目」と呼ばれ、対照的な概念として説明されることが多いです。
ファンクショナル系の動きの例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 荷物を持って歩くような動き(重りを持って歩く種目)
- 体をひねりながら物を投げる動き
- しゃがんで持ち上げて、頭上に持ち上げる一連の動き
これらは1つの動きの中で足・腰・腕など複数の部位を同時に使うため、「日常動作に近い分、実用的だ」という考え方でファンクショナルと呼ばれています。ただし、これも「効果が高い」と断定できる話ではなく、あくまで動きの分類方法として理解しておくのが良いと思います。
SNSでついでに見かけるその他の略語
メトコン・ファンクショナル以外にも、動画のキャプションでよく見る用語をざっくり紹介しておきます。
- WOD(Workout of the Day):「今日のワークアウトメニュー」という意味。クロスフィット系の投稿でよく使われます
- AMRAP(As Many Rounds/Reps As Possible):決まった時間内に、できるだけ多くの回数・セットをこなすという形式
- EMOM(Every Minute On the Minute):1分ごとに決まった動きを行い、余った時間は休憩にする形式
数字を使った用語(何秒動いて何秒休む、といった表記)は、別の記事で詳しく整理していますので、気になる方はそちらも参考にしてみてください。
詳しくはこちらの記事も参考にしてください:「有酸素」「HIIT」「インターバル」運動の種類が分からない人へ
賃貸で真似する前に知っておきたいこと
ここまで説明してきたメトコンやファンクショナル系のトレーニングは、SNS動画だと軽やかにこなしているように見えますが、実際にはジャンプを含む動き・重りを大きく振る動き・地面に叩きつける動きが組み込まれていることが多く、賃貸の部屋でそのまま真似すると、音や振動の面で思わぬトラブルにつながる可能性があります。
筆者自身、深夜にデッドリフト(重りを地面から持ち上げる種目)をしていたときに階下から苦情を受けたことがあります。すぐにトレーニングをやめて対応し、その後は防音・防振マットを導入したことで、以降は苦情が出なくなりました。メトコン系の動きも同じで、勢いのある動きが多い分、床への負荷は自重トレーニングより大きくなりやすいと考えておいたほうが安全です。
賃貸でこの手の動画を真似する場合は、まず自重や軽めの負荷で、動きのスピードを落として試すことが、部屋への影響を抑える最初の一歩になります。深夜早朝の時間帯や、床への対策については既に別記事で詳しく扱っているので、そちらも合わせて確認してみてください。
メトコン・ファンクショナル系で使われがちな器具3つ
SNS動画でメトコンやファンクショナル系のトレーニングを見ていると、ダンベル以外にもいくつか特徴的な器具が登場します。それぞれ簡単に紹介します。
ケトルベルは、丸い鉄の玉に持ち手がついた、急須のような形をした器具です。振る・持ち上げる・かつぐといった一連の動きに使われ、ファンクショナルトレーニングの代表的な器具として紹介されることが多いです。購入時は商品ページの「重量(kg表記)」の欄を必ず確認し、初めての場合は軽めの重さから選ぶのが無難です。
バトルロープは、太くて重いロープの両端を持ち、波のように振り続ける動きに使う器具です。メトコン系の動画でよく登場しますが、部屋の広さと天井高が十分に必要な種目なので、賃貸だと導入の前にスペースの確認が必須になります。商品ページの「長さ・太さ」の表記をチェックし、天井の低いワンルームでは短め・細めのタイプを選ぶと扱いやすくなります。
メディシンボールは、ずっしりとした重さのあるボールで、投げる・受け取る・抱えて動くといった使い方をします。ただし賃貸で「投げる」動作をそのまま行うのはリスクが高いため、投げずに抱えて使うタイプのトレーニングとして活用されることが多いです。詳しい使い方や収納については、以下の記事でも触れています。
あわせて読みたい:メディシンボールは賃貸でも使える?投げない使い方と収納術
いきなりメトコンを目指さなくていい
ここまで色々な用語を紹介してきましたが、正直なところ、これらは「トレーニング上級者が組み合わせて使う言葉」であることが多く、これから始める人が最初から真似する必要はまったくありません。
実は、決まった時間に決まった動き(腕立て伏せ・ロウイング・スクワットなど)を1セットだけ、毎日淡々と続けるだけのシンプルな習慣化トレーニングを検証した研究プロトコルも存在しています。メトコンのように息が上がるまで追い込む必要はなく、まずは「毎日少しだけ体を動かす」という土台を作ることのほうが、継続の観点では大切だと考えられています。
カタカナ用語が分からなくても、器具の名前が分からなくても、トレーニングを始めることはできます。用語は、あとから少しずつ理解していけば十分です。
用語の意味と一緒に、ダンベル・ケトルベル・バーベルといった器具そのものの違いも整理しておくと、SNS動画の内容がさらに分かりやすくなるはずです。
この点については別記事でも詳しく解説しています:ダンベル・ケトルベル・バーベルの違いが分からない人への図解ガイド
まとめ
「メトコン」は複数の種目を休憩少なく続けて行う進め方のスタイル、「ファンクショナル」は日常動作に近い複数関節を使う動きの分類、という違いを押さえておけば、SNS動画のキャプションも少し読み解きやすくなるはずです。
ただし、これらは負荷や動きの勢いが大きくなりやすいスタイルでもあるので、賃貸の部屋でそのまま真似する前に、一度動きの規模を小さくして試してみることをおすすめします。用語も器具も、無理に一度に全部覚えなくて大丈夫です。分からない言葉に出会ったたびに、一つずつ調べていけば十分だと思います。
よくある質問
Q. メトコンとHIITは同じものですか?
A. 似ている部分もありますが、厳密には異なります。HIITは「高強度の運動と休憩を交互に繰り返す」という時間の構成に注目した言葉で、メトコンは「複数の種目を組み合わせて代謝を高める」というメニューの組み方に注目した言葉です。重なる部分はありますが、指している範囲が少し違うと考えておくと分かりやすいです。
Q. ファンクショナルトレーニングは初心者には難しいですか?
A. 動きそのものは日常生活の動作に近いものが多いため、必ずしも難しいわけではありません。ただ複数の関節を同時に使う分、フォームが崩れやすいという指摘もあるので、最初は軽い負荷・ゆっくりした速度で動きを確認するのが安心です。
Q. SNSで見た動画のメニューを、そのまま自宅で真似してもいいですか?
A. 動画の内容自体は参考になりますが、投稿者の部屋の広さや床の構造、体力レベルは自分と同じではありません。特に音や振動が出やすい動きは、そのまま真似すると賃貸ではトラブルの原因になることがあるため、規模を小さくしてから試すことをおすすめします。
Q. 用語が分からないままトレーニングを始めても大丈夫ですか?
A. 大丈夫です。用語を理解していなくても、腕立て伏せやスクワットのような基本的な自重の動きから始めることは十分可能です。用語は、動画を見ながら「これがそういう意味だったんだ」と後から結びつけていけば問題ありません。
Q. ケトルベルとダンベル、最初に買うならどちらがいいですか?
A. どちらが優れているというものではなく、やりたい動きによって向き不向きがあります。振る・かつぐといった動きを試したいならケトルベル、部位を狙って鍛えたいならダンベルが扱いやすい傾向があります。個人差もあるので、まずは自分がやってみたい動画のスタイルに合わせて選ぶのが良いと思います。
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